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猛暑も無病息災!妙楽寺〝きゅうり加持〟30人祈願
和歌山県橋本市東家3丁目の真言律宗・妙楽寺=岩西彰真(いわにし・しょうしん)住職=で、土用丑(どよううし)の日の7月30日夜、猛暑の日々を無病息災で過ごす「きゅうり加持(かじ)」の祈祷(きとう)が行われ、善男善女約30人が参加、自身と家族や友人知人の健康安泰を祈った。
加持とは神仏のご加護・ご利益(りやく)で、祈祷とは神仏に呪文(じゅもん)を唱えて祈ること。「きゅうり加持」の祈祷は、土用丑の日、きゅうりを人体に見立てて、そこに病魔などの厄(やく)を移し、不動明王に供えて、無病息災を念じることをいう。
この夜、善男善女は各自、願い事を託す人数分(本数)だけ、きゅうりを持参して、紙に自身や家族、友人らの氏名、年齢、病名などを記入。岩西住職が母・康子(やすこ)さんとともに、きゅうりに切り込みを入れ、お札(ふだ)をはさみ、願文を書いた紙をきゅうりに巻きつけて仏前に供えた。
岩西住職がろうそくに火をともし、般若心経などを唱えると、それに従い善男善女も読経して、無病息災や病気治癒を祈った。各自、願文で巻いたきゅうりを持ち帰り、自ら読経を重ねたうえ、約2週間後に土に埋めて、病魔などを取り去る。
岩西住職は「真言密教では、現世利益(げんせりやく)といって、何でも構わないから、たとえ勝手な事でも、まるで赤ちゃんのように、神仏に願い事を訴える。それで願いが叶えば、今度は人々の幸せのために祈ることです」と解説。善男善女は静かに頷き、加持祈祷済みのきゅうりを、大切に持ち帰った。
なお、妙楽寺所領の近くの愛宕山(あたごさん)では、8月24日夜、「地蔵盆・灯ともし」を開催。参道の石段に小さな置き灯籠が沢山並び、ゆかた姿の善男善女が輪になって盆踊り。家族連れらが楽しい夏の夜を過ごす。
写真(上)はきゅうりの加持祈祷をする岩西住職と善男善女たち。写真(中)は願い事がて託されたきゅうりを備える岩西住職、写真(下)は岩西住職のきゅうり加持の解説を聞く善男善女たち。