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〝畑ごんぼ〟元気に育つ♪森岡さん〝お茶〟増産に自信
江戸時代~昭和初期の〝幻の畑ごんぼ〟=牛蒡(ごぼう)=を材料にして、逸品「はたごんぼ茶」を開発した和歌山県橋本市隅田町の「森康(もりやす)商店」=代表・森岡康次(もりおか・やすつぐ)さん(65)は、今年自ら歴史的な畑ごんぼの無農薬栽培に挑戦。「今、畑ごんぼは見事に育っているので、安全で、健康で、香りよしの『はたごんぼ茶』が、沢山つくれそう」と胸を叩いている。
この〝畑ごんぼ〟は、江戸時代から高野山参詣道「黒河道(くろこみち)」(国の史跡)沿いの国城山中腹(西畑・東畑地区)で栽培。大きいものは長さ1メートル、直径7センチにも及ぶ。
昭和初期に一旦途絶えたが約7年前、地元有志でつくる「プロムナード国城」=徳田勝治(とくだ・かつじ)会長=が復活栽培。森岡さんは「これは高麗人参生薬(こうらいにんじんしょうやく)と同じで、糖尿病や便秘予防、整腸作用などに効能がある」と確信。この〝畑ごんぼ〟を削り、天日干し、乾煎(からい)り、試飲、効能調べなどのうえ、新ブランド商品「はたごんぼ茶」を開発した。
それはすぐに消費者から大好評を得て、優良ふるさと食品コンクール・国産農林産品利用部門でも、名誉ある「食料産業局長賞」に輝いた。
ただ、森岡さんの畑ごんぼ栽培面積(約1000平方メー)は狭く、たちまち畑ごんぼ不足になってしまったため、今回、国城山中腹の畑(約7000平方メートル)を知人から借り受け、今年2月に畝(うね)づくり、3月には畑ごんぼの種をまいて、有機肥料と水やり、草引きをするなど、すべて手づくりで汗を流してきた。
その結果、6月12日現在、茎の高さ約50センチ、葉の直径約40センチ、根は長さ約60センチ、直径約2センチに生育。葉は有機栽培なので、多少の虫食いはあるものの、根も葉も最高の色づき。8月上旬から12月下旬にかけて手掘りで収穫し、「森康商店」作業所で逸品「はたごんぼ」に加工することになる。
森岡さんは「畑ごんぼの生育状況が順調なので、今年は品不足にならないで済みそう。これからも皆様の健康増進・安全安心のお茶づくりと、地域活性化を考えながら、『はたごんぼ』づくりに心血をそそぎます」と意気込みを見せていた。
「はたごんぼ茶」は12パック入り1袋(24グラム)648円(税込)。橋本市西畑の広域農道・紀の川フルーツライン沿いの産直市場「くにぎ広場」やJR南海橋本駅前の「はしもと広域観光案内所」で販売。
問い合わせは橋本市隅田町芋生182の7の森康(もりやす)商店(電話0736・34・0984)。
写真(上)は初夏の日差しの中、畑ごんぼに水をやる森岡さん。写真(中)は直径約2センチに育っている畑ごんぼの根。写真(下)は鍬(くわ)で除草し畝(うね)を整える森岡さん。