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「高野の花たち」(74)仏様♪ムロウテンナンショウ

ムロウテンナンショウは、サトイモ科テンナンショウ属で日本固有種。名前の由来は、奈良県室生寺の室生からつけられたそうです。
日本には、テンナンショウ属は約25種(細分すると40種以上)あり、高野山町石道にも何種類かあります。
新緑の頃、世界遺産の町石道を多くの人が歩かれています。慈尊院から大門までの約21キロは、厳しい登りもありますが、中ほど辺りは緩やかな歩き道が続きます。
この時期、目に優しい若葉と甘い木々の香り、ヤマアオガエルのキョリキロなく声を聴きながら、美しい塔婆の数字も早々とカウントダウン。ふと両脇に目をやるとムロウテンナンショウが沢山咲いています。手巻き寿司の海苔のような形をし、仏像に対する光背になぞらえていう仏炎苞(ぶつえんほう)は、爽やかなグリーン色に白のラインが入っています。その中に花があり、花の先は濃い緑のマッチ棒のよう。花は仏炎苞の中で、手で仏炎苞をめくらないと、見ることはできません。
花言葉は「隠れた美」と旨くつけられています。
山歩きを始めた当初、私はこの姿の花を見ると、マムシが鎌首をもたげて、私を見ているようで気味悪く、足早に通り過ぎたものです。しかし、よくよく見ると、濃い緑のマッチ棒が仏様で、仏炎苞は仏様の光背に見えてくるのは、町石道が参詣道だからでしょうか。(M記)


更新日:2016年5月9日 月曜日 20:30

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