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「高野の花たち」(72)平安貴族も魅了したヤマブキ

ヤマブキ(山吹)はバラ科ヤマブキ属で、日本や中国が原産。ほどよい湿地を好み、山地の谷川沿いなどに株で自生しており、高さ1~2メートルになる落葉低木です。
花は両性花で、4~5月頃、新枝の先に直径3~5ミリの鮮やかな黄色の花を1個ずつ付けます。
花柄は8~15ミリで花弁は5個、多数の雄しべがあり、花柱は5~8個です。葉は単葉で互生し、葉身は長卵形で、長さ4~8センチ、幅2~4センチ、先端は鋭く光っています。
果実は長さ4ミリほどで、1~5個が集まって、秋に茶褐色に熟します。ちなみに八重山吹には、実がつかなく、また、白山吹はシロヤマブキ属で別種です。
山に自生する蕗の色に花色が似ていることから、山吹と呼ばれるようになったとも、新枝に咲いた花が風に揺れる様から、別名「山振(やまぶり)」とか「面影草(おもかげぐさ)」とも言われるそうです。鮮やかな黄金色から「山吹色」という色名も生まれました。
花言葉は「気品がある」「崇高」「「謙虚」。古くから平安貴族に愛され、多くの和歌に詠まれています。中でも醍醐天皇の皇子である兼明親王(かねあきらしんのう)
の「七重八重花は咲けども山吹の実のひとつだになきぞ悲しき」を引用した太田道灌と村娘の古事は、あまりにも有名です。(K記)


更新日:2016年5月7日 土曜日 21:39

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