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自転車通学の心得学ぶ~今春開校の橋本中央中学生
中学校の統合・開校により、自転車通学生が多くなった和歌山県橋本市市脇の「橋本中央中学校」=岡本孝範(おかもと・たかのり)校長=は、このほど全校生を対象にした「交通安全教室」を開き、和歌山県警・橋本署の小畑祐志(こばた・ゆうし)交通課長から、自転車事故の加害者・被害者にならない注意点を教わった。
同校は市立西部、学文路、橋本の3中学校が統合。4月8日に1、2年生202人の
対面・始業式、11日に1年生132人の入学式を行い、同12日には同校体育館で、岡本校長や生徒指導の福本隆雄(ふくもと・たかお)教諭らが見守る中、全校生334人が集合、交通安全教室を開いた。
同校の自転車通学生は、1年生約100人、2、3年生約130人。小畑交通課長は「和歌山県内では平成27年度中に、自転車事故は438件発生し、421人が負傷、7人が死亡しています」と説明。「その主な原因は一旦停止を怠る、信号を無視する、前方や左右の不確認です」と強調した。
次に、自転車事故を企画表現したDVD映像(企画=全日本交通安全協会、監修=警察庁交通局)をスクリーンに放映。そこに紹介された事故の1例目は、自転車に乗った女生徒2人が、歩道を横並びで会話しながら走行、歩いてきた高齢者にぶつかり転倒する場面。
2例目は男性会社員が、自転車に乗ってフルスピードで赤信号を無視、横断歩道を渡る高齢者に激突。高齢者はいずれも頭を路上で強打して死亡するという、自転車事故のリアルな状況を表現。その映像は巻き戻しやスローモーションで再現。1例目は横並びではなく縦一列に走り、歩行者に出会った際、一旦降りてさえいれば…。2例目はあわてず、信号機と横断歩道、歩行者に注意していれば…。だれにでもわかる事故原因をズバリ視覚に訴えている。
小畑交通課長は「自転車は車道を走るのが原則、車道は例外。車道での自転車は左側通行で、歩行者優先です」などと、「自転車安全利用五原則」を紹介。そのうえで「とくに最近目立つ、携帯・スマホしながらの自転車利用は、一番危険です」と指摘。「必ずヘルメットを被って、くれぐれも命を大切に」と締めくくった。
生徒たちは終始静かに傾聴。改めて自転車事故の恐怖を感じ、自転車の安全利用を心に誓っている様子。福本教諭は最後に「全員、今は緊張感がありますが、自転車通学に慣れると、気が抜けるので、とても危険になります。加害者や被害者にならないように気を付けてください」と諭していた。
写真(上)は橋本中央中学校の全校生に自転車通学の注意点を話す小畑・橋本署交通課長。写真(中)は事故で壊れた自転車=DVD映像から。写真(下)はDVD映像で自転車通学ルールを学ぶ橋本中央中学校の生徒たち。