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「高野の花たち」(67)女人道に咲くバイカオウレン
〝バイカオウレン咲きましたよ〟との連絡を受け、急いで高野山の女人道を訪ねました。
金剛三昧院に通じる参道の中ほどを右折れして少し進むと、ろくろ峠を越え円通寺(真別所)に通じる女人道(にょにんみち)に出ました。石ころの多い急な坂道を登って行くと、小さな小さな白い花バイカオウレンが道の脇のあちこちに、けなげに咲いている光景に出会いました。
バイカオウレンはキンポウゲ科オウレン属で、林の下に生える常緑の多年草です。別名ゴカヨウオウレン(五加葉黄蓮)といい、高さ4~13センチになる褐色を帯びた花茎を出し、その先に12~15ミリほどの一つの白い花を上向きにつけています。
カメラにクローズアップレンズを取り付け、写真を撮りながら、花の素顔をゆっくりと観察。見れば見るほど惚れ惚れする花です。気づいたら60カットも撮っていました。花言葉は「魅力」です。うなずけます。
ここで女人道について少し触れておきましょう。高野山は、明治5年(1872)に女人禁制が廃止されるまで、女性の入山を厳しく規制されてきました。
そのため、高野山への登山口は、昔から七口といって七か所あって各入口には、女性のための籠もり堂としての女人堂が建てられていました。
女性は奥の院や壇上伽藍を礼拝するために、女人堂から女人堂へ高野山を取り囲む八葉の峰をたどったといわれ、この道を「女人道」と呼んでいます。(H記)
更新日:2016年4月12日 火曜日 21:39