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「高野の花たち」(66)バイモの花言葉は謙虚な心

高野山への参詣道沿いの柿畑の中に、スプリング・エフェメラル(春の短い命)の山野草、バイモ(貝母)が気品のある姿で咲きだしました。
ユリ科バイモ属の耐寒性球根植物で、まっすぐに伸ばした茎先の細長い葉のわきに数個のつぼみをつけて、花びら6枚の釣鐘型の花を下向きにつけます。
草丈は40~60センチあり、春風にそよぐ姿は、地味ですが背丈が高く存在感があります。花びらの内側が網目模様で、花形が編み笠に似ていることからアミガサユリとも呼ばれています。
江戸時代享保年間に、薬用として中国からもたらされた中国原産の多年生草本です。和名は球根(鱗茎)を乾燥させた形が、二枚貝の殻に似ていることから漢名の音読みで「バイモ(貝母)」です。その鱗茎を咳止めや痰切りに利用していました。生薬の原料として、柿の木の間などで栽培されていたものが逸出して、半自生化したものが各所で見られ、近年はナチュラルな雰囲気が茶花として親しまれています。
バイモの花言葉は「努力」「才能」「謙虚な心」で、薬用に用いられ、謙虚な花姿からこのような意味になったようです。神秘的な雰囲気のある「クロユリ」は同じ属の植物で、岐阜県や四国の高い山へ行くと、ミノコバイモやアワコバイモなど日本の自生種が見られます。(KE記)


更新日:2016年4月2日 土曜日 22:29

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