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「高野の花たち」(59)おしゃれなセリバオウレン

春を告げる花の一つ、セリバオウレン(芹葉黄連)が咲き出しました。セリバオウレンは、キンポウゲ科オウレン属。その名の由来は、節状に連なった根茎が黄色いことや、根を切ると鮮やかな黄色であるところから、「黄連」となったそうです。オウレンの根は薬草として使われます。花言葉は揺れる心。
花は山林の半日陰か日陰湿気の多いところで咲きます、落葉高木が冬の眠りについている間に、たっぷりと日光浴をし、虫を引き付けて受粉し、受粉が終わるころには、まわりの木々が葉を茂らすので、優しい木漏れ日の下で、のんびり穏やかにおくります。雄花、雌花、両性花に分かれているので、探すのも楽しいです。
私は冬場の高野山町石道フルコース21キロをよく歩きます。なぜかというと、体力の無い私には、暑い夏より冬場の方が踏破しやすいからです。雪の多い時は、アイゼンの代わりに、軽い藁紐(わらひも)を靴に巻きつけて登山します。
雪をかぶる町石に風情を感じますし、アニマルの足跡、木々のつらら、それに雪の中から美しい緑色をのぞかせる高野万年草、赤い実のアリドオシなど、楽しみながら歩いています。
雪解けのこの時期になると、セリバオウレンに出会えます。しばらく見とれて、「寒くないの」と声をかけてしまいます。
光の加減で銀色に輝いて見える時もありますが、色そのものは白です。最初は中央にギュウと固まって咲いていますが、暖かくなると伸びをするように、夜空にぱっと開く花火のような形になる、おしゃれな花です。今年も会えてよかった。(M記)


更新日:2016年3月8日 火曜日 13:35

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