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初冬の彦根城♪心に刻む~橋本公民館・歴史バス研修

観光バスの楽しい「日帰り旅」で歴史を学ぶ和歌山県橋本市の橋本地区公民館主催の「歴史バス研修」が12月7日、男女市民40人が参加して国宝・彦根城(滋賀県彦根市)と長浜城・城下町(同県長浜市)を舞台に行われ、湖東の歴史と情緒を心に刻んだ。
一行は午前7時半、観光バスで同公民館(橋本商工会館)前を出発。阪辻博文(さかつじ・ひろふみ)館長が案内、郷土史家・瀬崎浩孝(せざき・ひろたか)さんが講師を務めた。
彦根城は徳川家康の許可を得て元和8年(1622年)、井伊直継(いい・なおつぐ)が築城。末裔(まつえい)の直弼(なおすけ=1815~60)が彦根藩主から江戸大老に抜擢されるまで代々続いた井伊家の城郭。長浜城下町は、豊臣秀吉が初めて城持ち大名となった城下町で、大通寺・門前町や北国街道の宿場町の雰囲気を残す町並みも素晴らしい。
午前11時に彦根市に到着。ハンバーグ&サラダバイキングの昼食後、彦根城に移動した一行は、堀沿いに菰(こも)むしろを巻いた松並木、左右対称に櫓をもつ天秤櫓(てんびんやぐら)、万が一の時には落して敵の侵入を防いだ廊下橋、紅葉の綺麗な石垣のわきを歩く。
直角に近い急階段を手すりにしがみつきながら、三層の天守閣に登り、青い琵琶湖を望む。堀で遊ぶ白鳥やカモの群れ、今満開の二季桜(にきざくら)を見上げる。
瀬崎さんは「絶世の美女と言われた〝お市の方〟は、浅井長政の妻(後に柴田勝家に嫁ぐ)で、かの有名な淀殿(茶々=豊臣秀吉の側室)や、初(京極高次の正室)、江(徳川秀忠の継室)の三姉妹の母」と説明。
その上で「彦根城の石垣は、浅井長政の小谷城や、京極高次の大津城、豊臣秀次の八幡城など、琵琶湖周辺の城から集めて築造した」と語ると、参加者は改めて石垣を見直し、はるか昔に心をタイムスリップさせていた。
さらに観光バスで長浜城・城下町へ移動。各自、自由行動となり、真宗大谷派別院・大通寺の門前町の佇まいや、木造2階建ての「宿」のレトロな建築美、絹織物・浜ちりめんの老舗などを巡り、沢山のおみやげを購入。
瀬崎さんは「琵琶湖畔の北国街道は、橋本地方からも、中世の武士団・隅田(すだ)一族や、農業技術第一人者・大畑才蔵(おおはた・さいぞう)が通っています」と、広範囲な人々のつながりや、歴史の面白さを紹介していた。
一行は午後7時30分ごろに橋本に帰着。阪辻館長は「きょうは快晴に恵まれ、有難い歴史バス研修になりました。来年もいい企画を考えますので、ご期待ください」と締めくくった。この日の参加費は昼食込みで4700円だった。
写真(上)は参加者に彦根城の説明をする瀬崎さん=左。写真(中)は彦根城の天守閣の窓から琵琶湖を望み歴史解説をする瀬崎さん。写真(下)は綺麗な紅葉を見ながら彦根城の石垣を巡る参加者たち。


更新日:2015年12月8日 火曜日 16:35

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