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池ノ上さん制作の「瓶子」♪丹生都比売神社に奉納

和歌山県かつらぎ町上天野の丹生都比売(にうつひめ)神社=丹生晃市(にゅう・こういち)宮司=に11月23日、国際ソロプチミスト和歌山紀北から、塗師(ぬし)・池ノ上曙山(いけのうえ・しょざん)さん(56)制作の根来塗(ねごろぬり)酒器「瓶子(へいし)」が奉納された。池ノ上さんは「末永く使われるよう、思いを込めて作りました」と話し、丹生宮司は「先ず神様にお供えし、そのあと皆様と共にお神酒(みき)を有難くいただきます」と謝辞を述べた
同神社は約1700年前に創建した天照大御神(あまてらすおおみのかみ)の妹神・丹生都比売大神が主祭神。弘法大師・空海が同神社の神領を借りて高野山を開創した「神仏融合」開始の神社とされる。
根来塗は天正13年(1585)、豊臣秀吉の紀州攻め以来、山内での漆器作りは断絶し、約400年後に復興。池ノ上さんが「根来塗曙山会」を設け、100人以上の弟子を育てている。
根来塗は県指定の伝統的工芸品で、「瓶子」は酒をつぐ「壺」の一つ。今回奉納した根来塗・瓶子は、口縁部(こうえんぶ)が狭くしぼみ、肩部分が大きく張り出し、胴部下がえぐれるように引き締まった日本独特の形状で、肩部分の直径は23センチ、高さは29センチと大きい。
この日、根来塗・瓶子は、稲の収穫を祝う「新嘗祭(にいなめさい)」の御神前に供えられ、丹生宮司が祝詞(のりと)を奏上、池ノ上さんら参列者約20人が、玉串(たまぐし)を奉奠(ほうてん)した。
丹生宮司は「この根来塗・瓶子は当神社本殿を修復した〝平成の大造営〟の一環で、池ノ上さんが制作され、国際ソロプチミスト和歌山紀北から、進呈してくださいました」と紹介。「この根来塗・瓶子で永きに渡り、皆様とともに地元名産の天野米のお神酒をいただきたいと」と謝辞を述べた。
池ノ上さんは「この根来塗・瓶子は、1年半がかりで、26工程の作業を重ねて完成しました。漆(うるし)を塗るたびに、器につく刷毛跡(はけあと)を見ながら、只々、末永く使われることに、思いを込めました」と説明。「根来塗というのは、瓶子を使えば使うほど味わい深く、綺麗になっていきます。いい漆を使っているので、瓶子から注がれる酒はとても甘く、いい香りがします」と話していた。
写真(上)は神前に奉納・瓶子を供え「新嘗祭」で祝詞をあげる丹生宮司。写真(中)は奉納された池ノ上さん制作の瓶子。写真(下)は左から丹生宮司、池ノ上さん、奉納された瓶子。


更新日:2015年11月24日 火曜日 00:00

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