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山茶花の老樹、治療で復活♪堀越癪観音・天然記念物

和歌山県かつらぎ町東谷の「紀州堀越癪(しゃく)観音」=向井聖順(むかい・せいじゅん)住職=で、ひどく樹勢が衰えていた和歌山県指定文化財・天然記念物の「山茶花(さざんか)の老樹」が、日本樹木保護協会=山本光二(やまもと・こうじ)代表樹医・大阪府交野市=の治療により見事復活、11月12日現在、無数の花を咲かせて晩秋・初冬の趣(おもむき)を確かなものとしている。
堀越癪観音は真言宗山階派(やましなは)の寺院。母の腹痛を治そうと役行者(えんのぎょうじゃ)が彫ったとされる秘仏・十一面観音像が本尊。寺名中の「癪」は胸や腹の痛みのことで、同観音は「癪」を治してくれるという信仰がある。
和歌山県・天然記念物の山茶花は、本堂東側に立ち、幹周り約1・45メートル、高さ約13・5メートル、樹齢は200年以上と推定され、珍しく山茶花としては大樹。ただ、山茶花の周囲は、石垣などで囲まれた、厳しい環境になっている。
同観音の話によると、約20年前に樹勢が衰えたため、樹木医に治療してもらい一旦、開花状態はよくなったものの近年、再び樹勢が極めて悪化。今冬、初めて日本樹木保護協会に相談し、本格的な手当てを依頼した。
同保護協会が診察した結果、山茶花の幹の高さ約2メートル部分から内部にかけて、かなり大きな空洞ができているうえ、根元の盛り土が多過ぎ、硬化したことで通気性が悪く、山茶花が呼吸しにくくなっていることが判明した。
そこで、山本代表樹医ら7人が今年2月、約3日がかりで、根元周辺の小さな庭木や盛り土を取り除いて通気性を確保。幹の空洞部分をセメントで固めるという徹底した治療を行い、2本の支え木を取り付けた。
すると山茶花は今、すっかり息を吹き返し、葉が生い茂り、無数の蕾が次々と現れ、しっとりとしたピンク色の花を咲かせた。同観音は「四郷の串柿」の里にあることでも知られ、京阪神方面からの参拝・観光客も多く、山茶花の痛々しい手当ての跡や、元気によみがえった姿を見て、「よかったね」と声を掛けている。
同保護協会の山本崇正(やまもと・たかまさ)主任技師は、「これで花が咲き、葉を茂らせ、少々重みを増しても、幹を強化したので大丈夫。あとは山茶花の生命力が大切で、山茶花には、しっかり頑張ってほしいです」と期待。向井住職は「これからしばらくの間、沢山の花を咲かせてくれると思います。衰弱していた山茶花がすっかり甦って、こんなにうれしいことはありません」と喜んでいた。
写真(上)は復活し満開の和歌山県・天然記念物の山茶花=堀越癪観音。写真(中)は空洞を治療した山茶花の幹。写真(下)はしっとりと開花した天然記念物の山茶花。


更新日:2015年11月13日 金曜日 00:00

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