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日本人「邦楽」大切に♪隅田小で高齢者ら民謡披露
和歌山県橋本市の高齢者らでつくる「いきいき大学 民謡クラブ」=寺前玲子(てらまえ・れいこ)代表、会員約20人=は、10月16日、同市隅田町の市立隅田小学校=葛原昌文(かつらはら・まさふみ)校長=で「民謡鑑賞会」を開き、子供たちに日本文化の素晴らしさを伝えた。
同小学校の全校児童298人が体育館に集合。舞台では窪田道子(くぼた・みちこ)さんが三味線、小澤脩郎(おざわ・のぶお)さんが尺八を演奏。民謡クラブ男女会員が「ソーラン節」「武田節」「コキリコ節」など8曲を歌った。
「ソーラン節」では児童約20人が、紙製のタイやヒラメ、タコなどをあしらった網をつかみ、民謡に合わせて網引き姿を演じた。「黒田節」では吉原律子(よしはら・りつこ)さんが扇をかざして舞い、「コキリコ節」では北川淑子(きたがわ・よしこ)さんが、楽器「板ざさら」を鳴らして踊ると、館内はたちまち日本情緒に満たされた。
この後、寺前代表が6年生児童を対象に、三味線の音色を紹介。女性たちがテーブルに用意した5つの三味線で、子供たちに撥(ばち)の使い方を教えると、子供たちは西洋音楽と異なる、邦楽のゆったり感に興味を感じた様子。
同校児童長の金丸直紀(かなまる・なおき)くん(6年生)は、全校児童を代表して「今まで民謡のことは知りませんでしたが、きょうは、民謡の面白さがわかりました。いい機会をつくってくれてありがとうございました」と謝辞を述べ、司会役を務めた寺前代表は「西洋音楽もいいですが、日本の子供たちには、先ず日本文化・邦楽を大切にしてほしいです」と希望していた。
最後に葛原校長は「ご高齢の方々が子供たちと交流され、そこで生き生きと民謡を歌ってくれました。その姿こそが、子供たちに対する貴重な教育かと思います」と感想を述べて、締めくくった。
写真(上)は「ソーラン節」を披露する民謡クラブ員と隅田小6年生の児童たち。写真(中)は三味線の弾き方を教える寺前代表。写真(下)は「コキリコ節」を踊る北川さん。