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勇壮・担ぎ屋台、笛太鼓も心地よく~隅田八幡秋祭り

鎌倉時代の放生会(ほうじょうえ=殺生を戒める宗教行事)を起源とする、和歌山県橋本市隅田町垂井の隅田八幡神社の秋祭り(本宮)が、10月11日、同神社境内を中心に行われ、大勢の市民や観光客が日本の秋祭りの原風景を堪能した。
同神社の秋祭りは、和歌山県無形民俗文化財。午前は寺本嘉幸(てらもと・よしゆき)宮司ら神官による祭典が営まれ、午後は中下区の御神輿(おみこし)1基が境内でお練り。これに続いて、待機中の垂井、恋野、中島、境原の4地区の〝担ぎ屋台〟が1基ずつ、お練りを披露した。
約100人のハッピ姿の若衆が、担ぎ屋台の2本の棒を担ぎ、笛や鉦太鼓のリズムに合わせて、「えらいやっちゃ、負けんなよ」と、威勢よく屋台を揺らす。中将姫や合戦武士などの繍(ししゅう)入りの羅紗(らしゃ)、縮緬(ちりめん)の緞帳(どんちょう)に飾られた屋台が、激しく上下左右に揺れるたびに、見物人から「わあすごい」と、どよめきの声が上がった。
この後、同神社から御旅所(おたびどころ=隅田中学校グラウンド)まで、「御神輿渡御(おみこしとぎょ)が行われ、担ぎ屋台の先導で、御神輿や馬上の寺本宮司、天狗、獅子、氏子総代らの行列が行進して、まさに時代絵巻を展開。御旅所では「神幸祭」の後、御神輿を軸にして、4基の担ぎ屋台が円陣となり、お練(ねり)を繰り広げた。
郷土の秋祭りに詳しい奥村浩章(おくむら・ひろあき)さんは、「この担ぎ屋台は、綱で引っ張る地車でも、担ぎ上げるふとん太鼓でもありません。屋台は絢爛豪華な緞帳に飾られ、担ぎ棒の後部には和太鼓が取り付けられている。全国どこにもない、この担ぎ屋台を、今年も見物できて幸せです」と、目を細めていた。
写真(上)は隅田八幡神社境内で勇壮に〝お練り〟をする担ぎ屋台。写真(中)は隅田八幡神社で若衆に担がれ金色に輝く御神輿。写真(下)は3つの和太鼓を叩きながら〝お練り〟をする担ぎ屋台。


更新日:2015年10月12日 月曜日 00:05

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