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男女共同参画を推進♪~橋本議会・条例可決1日施行
男女が対等に活動し利益を享受できる社会を目指す「橋本市男女共同参画推進条例」が、和歌山県橋本市の9月定例市議会本会議で可決された。市レベルでは県内初の議決で、10月1日から施行される。平木哲朗(ひらき・てつろう)市長は「今後は本条例に基づいて女性を登用、女性パワーを活用するよう努力したい」と積極的推進を誓った。
同条例は、第1条(目的)で「橋本市における男女共同参画の推進に関する基本理念を定め、市、市民、事業者及び教育関係者の責務を明らかにするとともに、男女共同参画の推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、当該施策を総合的かつ計画的に推進し、男女共同参画社会を実現することを目的とする」としている。
第2条(定義)では「男女共同参画 男女が社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、男女が均等で政治的、経済的、社会的及び文化的な利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うことをいう」とするなど、「積極的改善措置」「市民」「事業者」「教育関係者」「性的指向」「性自認」「セクシャルハラスメント」「ドメスティック・バイオレンス」についての用語意義を示した。
その上で「男女の尊厳」「男女の活動に制度や慣行が影響を及ぼさない配慮」「子育て、介護など家庭生活の活動と地域、学校、職場などの活動の両立」を実現する基本理念と「市」「市民」「事業者」「教育関係者」の責務を定めた。
とくに同条例は、条文の中に「性的指向」(異性愛、同性愛、両性愛、無性愛など)や「性自認」(生物学的な性別にかかわらず、自分で認識している性別のあり方)、「教育関係者の責務」(子どもの頃から男女共同参画について教えることの大切さ)などを盛り込んだことが特徴という。
橋本市市民生活部の人権・男女共同推進室の話では、平成13年3月、初めて「はしもと男女共生社会推進行動計画」、次いで同24年3月に「第2次橋本市男女共生共同参画計画」を策定、目標年度を同33年(10年計画)とした。
これまで同推進懇話会(学識経験者や一般公募市民、地域活動団体代表など)・市議会議員の研修会、アクト研究室の鳥渕朋子(とりぶち・ともこ)さんの講演会「男女共同参画社会の形成の現状と課題」、市議会議員や小中学校教諭、人権啓発推進委員らが参加した市職員人権研修「知っておくべきLGBT~職場で明日からできること~」などを開催。男女共同参画の実現に地道に取り組んできた。
橋本市では同条例施行後▽条例の概要版を作成して全戸に配布▽女性相談員の養成講座を開催▽講座やセミナー、街頭啓発など推進▽平成29年度女性相談窓口(電話相談)開設などを予定している。
同推進室の平田麻里(ひらた・まり)主任は「橋本市民意識・実態調査(平成23年度)によると、〝男は仕事〟〝女は家庭〟という固定観念や慣行が根強く残っていました。男だから、女だからという理由で、生き方や人生の選択が制限されたり、機会が奪われたりしてはいけません」と強調、推進意欲を示す。
平木市長は「男性優位の社会で、いかに女性登用、女性パワー活用するかを考え、真剣に条例化に取り組んできました」と説明。「とくに少子高齢化の中、女性の社会進出は大切で、例えば防災面でも、焚き出しや風呂、トイレなど、女性目線による活動が重要です」と話し、男女共同参画の推進を誓っていた。
写真(上)は冊子「第二次橋本市男女共同参画計画」表紙イラストより。写真(中)同冊子「家庭」のイラスト。写真(下)同冊子「地域」のイラスト。