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「高野の花たち」(47)花言葉は働き者コウヤボウキ
コウヤボウキ(高野箒)はキク科コウヤボウキ属で、別名タマボウキといい、花言葉は働き者。関東地方から九州にかけて分布し、日当たりの乾いた崖地などに生えます。高さは60~100センチで、根本からたくさんの枝を出し、茎は細いが木質化して硬く、花は9月から10月にかけて1年目の茎に一輪ずつ咲きます。
ちなみに、はじめての「霊場高野山の植物・動物」入門(亀岡弘昭著)によると、高野山にはコウヤボウキのほかにコウヤマキ、コウヤミズキ、コウヤワラビなどコウヤと名のつく植物が19種あると書いておられるから驚きです。
名の由来は、高野山の参道の先に大毒蛇がいて、若い参詣人に襲いかかり、呑み込んでしまう。お大師様は大層嘆かれ、御廟からお出ましになり竹箒で封じ込め、以後竹箒のかわりにクロモジやコウヤボウキの細枝を使って箒を作るようになったとか、弘法大師の教えで竹などの伐採が禁じられたために、この植物になったなど、いろいろな説があるようです。箒は、コウヤボウキが冬に葉を落とした茎を根元から刈り採って作りますが、部屋や玄関、縁側、軒下などを掃くのに適していたようです。
高野山に近い花園村(現かつらぎ町)に坪井徳夫(つぼい・とくお)さんという箒作りの名人(写真3枚目)がいて、2012(平成24)ごろまで作られ、高野山の寺院に奉納されるなどしていましたが、残念ながらその名人が亡くなり、後継者もいなくて、途絶えてしまいました。(TA記)
更新日:2015年9月29日 火曜日 22:40