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「高野の花たち」(42)ツチアケビは〝お茶目な心〟
ツチアケビ(土通草)は深山の陰地に生ずる無葉ランで、葉緑素を持たない腐生植物。名の由来は、土の中からにょっきり出て、蕾も果実もアケビの実に似ているからだそうです。
ツチアケビの果実を初めて見たのは、9月に高野山町石道を歩いたとき。「え~っ!なぁに!これ?」薄暗い林の中で、真っ赤な特大ウインナが沢山ぶら下がっているようなので、しばらく凝視。
傍にいた友人が笑いながら「果実を干したら、利尿に効くので、昔は軒下によく乾してた」と教えてくれました。果実を食べると少し甘いそうですが、臭さもきつく、あまり美味しくないとのこと。でも、干すと生の時より甘くなるそうです。
果実にも驚きましたが、7月に花を見つけたとき、あの果実からは想像できないほど、美しいので驚きました。花の形は同じなのですが、なんだか面白い、それぞれ好きな方向を向いて咲いています。ツチアケビにはいつも驚かされます。
花言葉は見つかりませんが、私は「お茶目な心」とつけました。ツチアケビのように、葉緑素を持たない腐生ランから、木や岩に着く着生植物とラン科は色々で、バラエティーに富んでいます。(M記)
更新日:2015年9月11日 金曜日 22:22