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「高野の花たち」(35)マツカゼソウに古城の風情
マツカゼソウはミカン科マツカゼソウ属の多年草で、花言葉は内気な愛、ゆらめく恋心。その姿が松の図柄に似ていることからマツガエソウ(松ヶ枝草)とされていたのが、いつの頃からか、初秋の風に揺れる風情のある姿から、マツカゼソウ(松風草)と呼ばれるようになった日本国有種です。
山地の林の縁や参道沿いなどに自生し、40~50センチの草高で白い小さな花を咲かせます。葉は3回3出羽状複葉(葉軸が3回分岐、枝分かれして、3枚の小葉からなる葉を、先端と左右に並べてつける)互性で、地際に広がり、小葉は卵を逆さにしたような形で柔らかく、葉裏は白色を帯びています。
伸びた花茎から分岐した枝先に長めの楕円形をした白い花をたくさん付け、花びらは4枚、雄しべ7、8本、雌しべ(花柱)1本です。花後に4分裂した小さな実をつけます。また、葉にはミカンの葉の香りによく似た独特の香りがあり、風のゆらぎで匂います。
この花のことを私はすっかり忘れていたのですが、ある会の自然観察で春日山原生林に行った時、教わったことを思い出しました。この風情ある名前を覚えておこうと、三橋美智也の歌う「古城」(♪松風さわく丘の上…)を思い出し、笑ってしまいました。(K記)
更新日:2015年8月20日 木曜日 16:43