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高野山ワインタクシー♪夢実現へブドウ植樹

世界遺産・高野山(和歌山県高野町)とその周辺地域で、将来、ワインの味や景色を楽しむ「ワインタクシー」を実現しようと、農業生産法人・株式会社アコモファーム=石垣泰伸(いしがき・やすのぶ)社長、同県有田市千田=と高野町=平野嘉也(ひらの・よしや)町長=は、6月6日、同町富貴地区の畑で、「ブドウの苗木の記念植樹」を行った。
この日、富貴小学校プール近くの畑(10アール)に、同社や町、町議、農業委員会、県関係者ら約40人が参集。高野山真言宗総本山・金剛峯寺の僧侶2人が読経した後、石垣社長や平野町長、所順子(ところ・じゅんこ)町議会議長ら計15人が、それぞれ高さ約50センチのブドウの苗木を記念植樹。残る185本は同社従業員が植えた。3年後には本格的に収穫、約600リットル・700本のワインをつくりたいという。
同社や町の説明によると、この苗木は世界に2つしかない古道の世界文化遺産「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」(スペイン)があるブドウの本場・ガリシア州で栽培している白ワイン用の「アルバリーニョ」という名の品種。
もう1つの古道の世界遺産は、もちろん「紀伊山地の霊場と参詣道」(高野・熊野)であり、高野山に近いここ富貴地区で、ブドウを栽培して、高野山で醸造すれば、ワインの味は両古道でつながる、夢のような楽しい「ワイン物語」が生まれることになる。また、和歌山県とガリシア州は1998年に「姉妹道提携」をしているので、提携20周年を迎える2018年には、本格的にブドウを収穫、素敵なワインづりを成功させたい考え。
平野町長は「富貴地区の高齢化率は65%と高く、農業の後継者難に加え、耕作放棄地も増えるばかり」と、過疎化ぶりを説明。そこで「例えば、高野山にワイナリー(ブドウ酒醸造所)をつくり、富貴で栽培したブドウで、高野山の祈りの入ったワインが誕生すれば、世界中から訪れる観光客に、高野山でワインを提供できるし、〝ワインタクシー〟で栽培地の自然風景も楽しんでもらえる」と想定。これで「雇用促進や地域の活性化につなげたい」と力説した。
石垣社長は、醸造学の専門家で和歌山ワインプロジェクトの中谷直木(なかたに・なおき)マネージャーの技術指導を得ており、「富貴地区は、寒暖差があって、日照時間も長く、土壌がいいので、最適地と判断しました。ガリシアのブドウが、ここで育てば、きっと美味しいワインになります」ときっぱり。県や町の協力を得ながら、地域の活性化を目指し、地元農家との「協働」を誓っていた。
写真(上)はブドウの苗木の記念植樹を行う平野・高野町長=正面左=と所・町議会議長=正面右。写真(中)はブドウ苗木の栽培の無事を祈る高野山・金剛峯寺の僧侶と記念植樹の参加者。写真(下)はスペイン・ガリシア州の白ワイン用の苗木「アルバリーニョ」と向こうで苗植え作業するアコモファーム従業員。


更新日:2015年6月7日 日曜日 00:00

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