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「高野の花たち」(14)熊谷直実ゆかりクマガイソウ
弘法大師・空海の高野山開創1200年記念大法会(4月2日~5月21日)の半ば頃に見頃を迎えていたクマガイソウ(熊谷草)。
ふくらんだ唇弁(しんべん)が、源平合戦の武将・熊谷直実(くまがい・なおざね)の背負った流れ矢を防ぐ武具「母袋(ほろ)」に似ていたことから、クマガイソウと名付けられたといわれています。
クマガイソウは高さ30~40センチの多年草。地茎が長く、横に広がるので、深山の落葉樹林などに群生することが多いようです。
葉は柄のない径15~20センチの扇型2枚のほぼ対生のようにつきます。葉の中心から花柄が出て、径8~10センチもある淡黄緑色地に、紫褐色紋のある花を横向きに1個だけつけます。花の形から「キツネのチョウチン」と呼ぶこともあるようです。
高野山の植物に詳しい女性は「以前は山内にも野生のクマガイソウがたくさん見られたが、いまは乱獲によって、ほとんど姿を消してしまった」と話していました。
写真は高野山・宝城院に咲いたクマガイソウ。(TA記)
更新日:2015年5月26日 火曜日 20:57