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高野山に静寂戻る~新緑に人影まばら~大法会閉幕

弘法大師・空海の高野山開創1200年記念大法会が閉幕した翌日の5月22日、世界遺産・高野山(和歌山県高野町)は、前日までとは打って変わり、参拝・観光客の人影は激減、普段の霊場・高野山の静寂を取り戻した。
高野山真言宗総本山・金剛峯寺では、4月2日から5月21日までの大法会期間中、全国の関係寺院から、大型バスを連ねて、大勢の檀信徒が境内を埋めたが、この日午前11時半頃は閑散として、境内隅の池では、ハト夫婦が水浴びする風景が見られた。
真言密教のシンボル・根本大塔のある壇上伽藍も、これまで緋色の袈裟衣姿などの僧侶の行列が、本山や大会堂を出発して、蓮池の太鼓橋を渡り、今回再建された中門をくぐって、金堂や根本大塔まで練り歩き、厳かに法要を営んでいたが、今は、いずこも静まり返っていて、中門・四天像の眼光も、いささか睨み甲斐がなさそう。
早朝から人波が押し寄せた奥の院・参道も、今は嘘のように歩きやすくなり、参拝・観光客は水向地蔵に水を手向けて、ゆったりと合掌した後、玉川に架かる御廟橋(ごびょうばし)から、そぞろ歩きで弘法大師・御廟へ向かっていた。
この大法会中、交通事故防止のため、山内の主要道路に置かれていた「駐車禁止」の標識も全て撤去されて、金剛峯寺から奥の院・中の橋にかけてのメイン通り(小田原通り)は、空席の多いバスが往来、土産物店も人影はまばらで、南海・難波から橋本駅を経由して極楽橋に向かう電車も、高野山駅に登るケーブルカーも、車内はがらがら状態で、駅頭を歩く乗降客も数えるほどだった。
このため、本山から壇上伽藍に続く蛇腹道は、新緑に覆われて、空気は清浄そのもの。奥の院・水向地蔵は、薫風に水が光る。日本語、英語、フランス語などのガイドの声も、遠くから澄清に聞こえていた。
中門近くの喫茶店の主人は「大法会の期間中、中門前の通りは、観光バスやマイカーで大渋滞。高野名物・胡麻豆腐は飛ぶように売れ、食堂では材料がなくなり、商売ができない程の忙しさ。でも、きょうは閑散として、観光バスは1台も見ていませんよ」と話し、その変貌ぶりに驚嘆。午後1時過ぎの高野山駅近くの飲食店では、乗降客が出入りしていたものの、主人は店の外の通りへ、ゆったりと打ち水。「きのうまでは、こんなこと、とてもできなかったよ」と笑っていた。
大法会期間中、僧侶のお練りや読経、参拝・観光客の表情などを撮り続けてきたフォトライターの北森久雄(きたもり・ひさお)さんは、「檀信徒の皆さんが、懸命に手を合わせる姿を見て、弘法大師・空海に対する、深い思いを感じました」と言い、「大法会中の高野山のすごい混雑ぶりに、参拝時期を大法会の後にずらした方々も多いことでしょう。今は新緑、静寂が素晴らしいので、高野山に来られれば、心癒されることでしょう」と話していた。
写真(上)は静寂が戻った高野山奥の院。写真(中)は高野山・奥の院の水向地蔵にゆったりと水をかけて拝む参拝・観光客ら。写真(下)は新緑と静寂が素晴らしい高野山・壇上伽藍の蛇腹道。


更新日:2015年5月23日 土曜日 00:00

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