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心癒す橋本駅「撫で三鈷杵」~スタンプラリーも楽し
弘法大師・空海の高野山開創1200年を記念する「撫で三鈷杵(なでさんこしょ)」が、高野山麓の和歌山県橋本市古佐田のJR・南海「橋本駅」に置かれ、参拝・観光客や「世界遺産高野山エリア 周遊スタンプラリー」参加者らの心を癒している。
三鈷杵とは、弘法大師・空海が、中国・長安の都の寺で、高僧・恵果和尚(けいかおしょう)から学んだ真言密教を広めようと、日本へ向けて投げた仏具の一つ。
大師が帰国後、高野山の守護神・狩場明神(かりばみょうじん)率いる犬2頭に案内され、今の高野山・壇上伽藍(だんじょうがらん)の松に、三鈷杵が掛かっていたことから、高野山に真言密教の道場を開いたと伝えられている。
今回、高野山・金剛峯寺と、奈良の金峯山寺が、この仏具に「手で触れて、大師の思いと、加持力(かじりょく)を感じてもらいたい」として、奈良・吉野山の桜の霊木を使って「撫で三鈷杵」を再現。高野山開創1200年記念大法会(~5月21日)中の午前10時~午後4時、JR橋本駅の改札口わきに展示されている。
ちょうど大法会の期間中は、「世界遺産高野エリア 周遊スタンプラリー」が行われていて、参拝・観光客らは、同コースの人気スポットである「撫で三鈷杵」前で、綺麗な「撫で三鈷杵」のスタンプを押印。丁寧に撫でて手を合わせ、家族や友人知人の幸せを祈っている。
兵庫県尼崎市から、橋本駅に降り立った男性・会社員は「大法会は、滅多にない機会なので、今だと思って、スタンプラリーにやってきました。きょうは橋本と九度山、改めて、かつらぎ、高野山を巡ります」と、生き生き話し、撫で三鈷杵のスタンプを押した後、駅前の広域観光案内所で「高野七口押印帳」をもらっていた。
JR橋本駅の岩田芳和(いわた・よしかず)駅長は「さすがに橋本駅も、観光客で大賑わい。とくに撫で三鈷杵は、スタンプラリーの観光客に人気です。この機会にぜひ、三鈷杵の感触を味わってください」と言っている。
同スタンプラリーのスタンプ設置場所は、JR橋本駅「撫で三鈷杵」前のほか、橋本のまちを築いた木喰応其上人(もくじきおうごしょうにん)を祀る応其寺(おうごじ)、高野山の守護神でもある、かつらぎ町の丹生都比売(にうつひめ)神社、弘法大師・空海の御母堂を祀る九度山町の慈尊院、その隣の丹生官省符神社、高野町の高野山・壇上伽藍。
スタンプラリーの特典は、スタンプ設置6ヶ所のうち、4か所以上のスタンプを集めると、先着500人にグッズ「こうやくん」「三鈷の松」がプレゼントされる。
引き換え場所は橋本市観光協会、丹生都比売神社、九度山町の道の駅「柿の郷くどやま」、高野町の高野山宿坊協会。
写真(上)はJR橋本駅の改札口横の「撫で三鈷杵」前で押印するスタンプラリー参加者。写真(中)は綺麗な「撫で三鈷杵」のスタンプ。写真(下)は参拝・観光客に人気の「撫で三鈷杵」。