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高野口駅〝壁画〟完成~伊高生「古里知ってね」
和歌山県橋本市高野口町名古曽の県立伊都高校・美術部の青木菜月(あおき・なつき)部長(3年)ら部員3人は、JR和歌山線・高野口駅の駅舎に、桜満開の庚申山(こうしんさん)や紀の川、高野口のパイル織物など6枚綴りの〝壁画〟を制作、4月3日、それを除幕、お披露目された。伊都高校は、現在の2年生が卒業後に廃校することになるが、青木部長は、「古里の名所や特産品などを描き、そこに伊都高校の校名も記しました。私たちの古里の良さを知って、いつまでも覚えておいてほしい」と話した。
この〝壁画〟はベニヤ板製で、1枚の大きさは高さ92センチ、幅175センチ。左から1枚目は、高野口町商工会のマスコットキャラクターで、グリーンの「カッピー」(男)とピンク色の「沙羅(さら)ちゃん」(女)が、紀の川をバックにして、特産の国の伝統的工芸品・紀州へら竿を持っている光景。
2枚目は、同駅北側に見える桜満開の庚申山(こうしんさん)、3枚目は高野山の歴史的な表参道・町石道、4枚目は真田幸村のキャラクターが可愛い真田庵、5枚目は高野口パイル織物の帽子やバッグ、6枚目は同駅前の国の登録文化財・葛城館と、修行僧の格好をした「カッピー」「沙羅ちゃん」が可愛い高野山・根本大塔が描かれている。
これは、JR西日本和歌山支社と和歌山県、紀北地方の市町でつくる「和歌山線活性化委員会」が、これまで落書きが多く、暗いイメージだった和歌山線の駅舎を、明るくしようと企画。依頼を受けた同校の美術部が、昨年8月から夏休みや放課後の時間を活用して、青木部長らがペインティング、完成させた。
この日の除幕式で、橋本駅の幡丸久晃(まんまる・ひさてる)係長は、「今開かれている高野山開創1200年記念大法会に合わせて、素晴らしい絵画を制作してくれました。駅舎はとても明るくなり、落書もなくなってくれそうです」と感謝した。
青木部長は「ぜひ大勢の方々にご覧いただき、古里の自然、歴史、名所、名産品などを知ってもらえたら、うれしいです」と話し、野田幹也(のだ・みきや)校長が、反対側のプラットホームから「撮るよ」とカメラを構えると、青木部長や顧問の先生らは、にっこり笑って記念撮影に応じていた。
写真(上)は顧問の先生=右端=と共に撮影に応じる青木部長=右から2人目=ら。左端は幡丸係長。写真(中)は完成した紀の川と庚申山の絵画と青木部長ら。写真(下)は完成した高野山町石道・真田庵の絵と青木部長ら。