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心癒す「音情」奉納~慈尊院~「鐘叩きはご自由に」

鐘を鳴らして祈願する「音情(おんじょう)」という真新しい仏具が、女性信者から弘法大師・空海の御母堂(ごぼどう)を祀る世界遺産・女人高野別格本山・慈尊院(和歌山県九度山町)に奉納された。この珍しい「音情」を本堂に置いた安念清邦(あんねん・せいほう)住職は「撞木(しゅもく)で叩くと、とても清らかな音が響きます。自由に叩いて結構ですから、ぜひ、祈りを叶えてください」と言っている。
この「音情」は、高さ1・36メートル、幅90センチの円形枠の中に、十二支のエトを描いた12個の鐘(銅製=高さ9センチ、直径10センチ)を吊り下げた音マンダラ風。大師の御母堂の化身とされる同院の御本尊・弥勒菩薩(みろくぼさつ)を尊崇する北陸の女性が「この音情を役立ててください」と寄進したという。
安念住職は、ありがたく頂載し、本堂に設置。試みに叩いたところ、十二支はどれみふぁそら♪…と音楽にもなりそう。その時、たまたま子供連れで訪れた30歳代の女性が、数日後に乳がん手術をしなければならないという。「ぜひ叩かせてほしい」と言うので、快諾すると、十二支すべての鐘を叩いて、合掌した女性は「実に澄んだ音が心に響き、これまでの不安が消えました。ありがとうございました」とすがすがしい表情になったという。
安念住職は、この「音情」は、さまざまな病気をはじめ、家族の安泰、商売繁盛などの願いに応え、心を癒してくれるものと判断。本堂に常設することにした。「手を合わせることは大切ですが、この音情は撞木で叩くと、かならず音で返ってきてくれるので、そこがいいですね。気軽に音を楽しんでくれたらいいと思っています」と語った。
写真(上、下)は「音情」を披露する安念住職。写真(中)は「音情」が常設された慈尊院・本堂。


更新日:2015年3月20日 金曜日 00:00

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