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小さい春見いつけた♪~紀の川畔に〝犬ふぐり〟輝く

小さくて可愛い花「犬ふぐり」が〝啓蟄(けいちつ)の日〟の3月6日、和歌山県橋本市向副の紀の川河川敷にある「ふるさと学びの森」(市教委管理)で咲いていて、早春の趣(おもむき)を漂わせている。
「犬ふぐり」は、オオバコ科クワガタソウ属の越年草だが、土地開発などで絶滅の危険が高まり、環境省の絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。犬ふぐりとは、その実の形が「犬のふぐり(陰嚢=いんのう)」に似ているので、そう名付けられた。
この日は冬眠していた虫たちが、春の陽気に誘われて、地上に這い出るとされる「啓蟄」。畦道や池の堤などでは、犬ふぐりが無数に開花していて、「ふるさと学びの森」でも、約350種類の木々の林立する中、直径わずか3~5ミリの、瑠璃色(るりいろ)の花を咲かせた。小さな虫たちの目になって、接近して見つめると、犬ふぐりは大きく見え、立ち上がって眺めると、瑠璃色の金平糖(こんぺいとう)をばらまいたよう。
歳時記では、「歩く子に両手さし出す犬ふぐり」=高浜虚子(たかはま・きょし)や、「いぬふぐり囁く足をあとしざり」=阿波野青畝(あわの・せいほ)などと詠まれていて、まことに可憐で素敵な花である。
この森の木々の剪定(せんてい)や除草作業にボランティアで取り組んでいる元・橋本市中央公民館長の山本良和(やまもと・よしかず)さんは「もうすぐ草刈をしますが、せっかく咲いた犬ふぐり、残しておきたいと思っています」と話した。
今は他に「三椏(みつまた)」の花が咲いている程度だが、しばらくすると、薺(なずな)や仏の座(ほとけのざ)などの花が、次々と咲き始めて、いよいよ春本番を迎えることになる。
写真はいずれも「ふるさと学びの森」のメイン通りの草むらに咲いた、とても小さな瑠璃色の犬ふぐり。


更新日:2015年3月7日 土曜日 00:00

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