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布絵〝橋本の偉人〟など個展、12日~中本敏子さん
日本一のパイル織物の産地、和歌山県橋本市高野口町の織屋で生まれ育った手芸家・中本敏子(なかもと・としこ)さん(47)が、3月12日(木)~15日(日)、橋本市産業文化会館で、個展「織屋の子に生まれて~編んだり縫ったり織ったりの暮らしの中で~」を開く。中本さんは「高野口パイルファブリックを使ったサニーちゃん人形や、世界的数学者の岡潔(おか・きよし)博士など〝橋本の偉人さん〟の縫いぐるみなど、楽しい作品をいっぱい出展するので、ぜひ、ご覧下さい」と言っている。入場無料。
中本さんは昭和42年(1967)、織物業の父と今は再織(さいおり)指導者の母との長女として誕生。同60年に編物講師・ニットデザイナー岩倉貴子(いわくら・たかこ)さんに師事。平成4年の結婚を機に本格的に創作活動。夫と長男、二男との4人暮らし。
個展では、岡博士や橋本のまちを築いた木喰応其上人(もくじきおうごしょうにん)、オリンピック水泳金メダリストの前畑秀子さ(まえはた・ひでこ)んや古川勝(ふるかわ・まさる)さん、紀の川水田開発を行った大畑才蔵(おおはた・さいぞう)さんらの布絵や、ウサギ、犬、猫の〝サニーちゃん人形〟などを展示する。
また、日本婦人発明家協会アイディア賞に輝いた高野口パイルファブリック再織作品ドレス「バタフライ」や、内藤商事株式会社賞を受賞したキルト作品タペストリー「元気なリンゴの木の下で」など過去の受賞作、さまざまな種類のパイル(有毛)生地などを紹介。明治時代から続く「再織」の手織実演と体験会、高野口パイルで制作した紙芝居の読み聞かせなども行う。
中本さんは「布(生地)の生産地は、普通は1種類ですが、橋本・高野口の布(生地)は10種類以上で、世界一多いです。これは商品開発に創意工夫してきた証拠で、私たち織物のまちの誇りです」と話し、「個展では手芸作品とともに、その素材の素晴らしさを、見聞とともに感触で知ってください」と言っている。
個展は午前10時~午後5時。橋本市高野口町向島135、橋本市産業文化会館(アザレア)1階ロビー。問い合わせは橋本市地場産業振興センター「裁ち寄り処」(電話0736・44・1401)。
写真(上)は中本敏子さん=右=が高野口パイルファブリックを使って制作したサニーちゃん人形の数々。写真(中)は「高野口ファイルパブリック」紹介文。写真(下)は高野口のさまざまな種類の生地を披露する中本さん。