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高野山〝高野四郎〟鳴り響く~開創1200年元旦

世界遺産・高野山の開創1200年にあたる平成27年(2015)元旦、高野山真言宗総本山・金剛峯寺(和歌山県高野町)の壇上伽藍は、大勢の参拝・観光客で賑わった。
とくに今年は、NHK番組「ゆく年くる年」で、通称「高野四郎(こうやしろう)=大塔の鐘」の除夜の鐘撞き風景が、世界遺産登録以来10年ぶりに中継された。
気温マイナス0・6度で、小雪が舞う中、5人の僧侶が鐘楼にのぼり、全霊込めて釣鐘を撞くと、鐘の音はいんいんと全山に響きわたり、僧侶とともに善男善女が般若心経を唱えて、今年1年の安泰を祈った。壇上伽藍では葛湯接待などがあり、近くの霊木の家では、そばが振る舞われた。
山麓の橋本市観光協会長で橋本商工会議所の畑野富雄(はたの・とみお)会頭は、「橋本は高野山への参詣ルートであり、高野山の恩恵を受けています。今年は開創1200年の年であり、私たちも祝福する一方、まち起こしにも頑張りたい」と誓っていた。
また、弘法大師(空海)に高野山領地を貸与したとされる和歌山県かつらぎ町上天野の丹生都比売(にうつひめ)神社では、本殿修復の「平成の造営」の完成後、初めて迎えた新年であり、大晦日から元旦にかけて、楼門と鏡池の太鼓橋をライトアップ。参拝・観光客は、その美しさにみとれ、さらに志納(1人500円以上)を納めて、昇殿を特別拝観し、鈴祓(すずはら)いやお神酒をいただいていた。三が日は「昇殿の特別拝観」のほか「甘酒(ノンアルコール)接待」などもある。
一方、老朽撤去した本堂の再建を目指し、有志が托鉢寒行を行っている橋本市東家の真言律宗・妙楽寺でも、善男善女が集まり、すでに修復済みの鐘楼門で「除夜の鐘」を鳴らした。同寺再建再興委員会のメンバーは、訪れた人々に鐘の撞き方を教え、お神酒接待をして働き、1日も早い本堂再興を願っていた。
写真(上)は高野山の通称「高野四郎」の除夜の鐘を撞く僧侶。写真(中)はライトアップされた丹生都比売神社の朱塗りの楼門。写真(下)は修復された妙楽寺・鐘楼門で鐘を撞く子供たち。


更新日:2015年1月1日 木曜日 02:26

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