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年の瀬、ロウヤガキ熟す~紀の川・ふるさと学びの森
和歌山県橋本市向副の紀の川河川敷にある全国でも珍しい「ふるさと学びの森」で12月30日、大半の木々が落葉した中、ロウヤガキ(老爺柿)だけが熟し、静かな年の瀬に美しい色彩を放っている。
この森は、和歌山県自然保護監視員で医師の田中治(たなか・おさむ)さん(88)(同市隅田町)が、約20年前から「1か所で多種多様な木々を観察できるように」と、国の認可を得たうえ、約350種類を植林。花が咲いたり、実がなったりする頃には、家族連れらが訪れている。
ロウヤガキの木は、高さ約3メートル。中国原産のカキノキ属で、実は苦くて観賞用。花言葉は「人生これから」という。今は、寒々としていて、この森を訪れる人影はないが、ロウヤガキの実は、黄色からだんだん赤く熟し、周囲の裸木(はだかぎ)や敷き詰めた枯葉の中で、小粒ながらも存在感を表している。
この森の木々の剪定(せんてい)や除草作業に、ボランティアで取り組んでいる元・橋本市中央公民館長の山本良和(やまもと・よしかず)さんは「来年はボランティアを募り、常時、きれいな森にして一層、小学生に、さまざまな植物の名前や、特徴を勉強してもらいたい」と夢を語っていた。
場所は紀の川南岸沿いで、南海高野線・紀ノ川鉄橋のすぐ東側。
写真(上、下)は学びの森の冬景色の中で存在感を見せるロウヤガキ。写真(中)はロウヤガキの向こうに続く落葉の道。
更新日:2014年12月31日 水曜日 00:01