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素敵な光景にめぐり逢う~橋本フォトクラブ写真展

「素敵な写真にめぐり逢える」として、市民から人気を博している「第40回橋本フォトクラブ写真展」が、11月13日、和歌山県橋本市東家の橋本市教育文化会館4階で始まった。15日(土)午後1時半からは、写真家で大阪芸術大学の有野永霧(ありの・えいむ)教授による「全作品・講評」がある。橋本フォトクラブの大谷憲裕(のりひろ)会長は「ゆっくり写真展をご覧になり、有野先生の素敵な講評をお聴き下さい」と、来場を呼びかけている。16(日)まで。入場・聴講は無料。
同クラブは昭和47年(1972)に発足。今回は会員23人が各自、思い思いのテーマで、撮影してきた単写真や組み写真を出展している。
その一部を紹介すると、大谷会長の作品「横丁慕情」(組み)は、大阪・法善寺横丁の風景で、水掛不動尊への祈願、綺麗に水に洗われた石畳の通り、夫婦善哉の提灯(ちょうちん)などで、船場(せんば)ことば、線香の香、ぜんざいの味、酒肴の匂いが漂ってくる。
中本義則(なかもと・よしのり)さんの作品「地蔵盆」(組み)は、幾つもの地蔵尊を照らす燈明や、一人の女性の足元を照らす燈明など、その燈明の列が、深い闇の中から、地蔵尊や女性を浮かび上がらせている。
濱口進(はまぐち・すすむ)さんの作品「山里」(組み)は、竹藪のそばに立つ棕櫚(しゅろ)の高木や、くっきりした山家(やまが)の日陰、ガードレールのある急坂カーブなど、いずれもまったく人影がなくて、ひっそり静まり返っている。
米坂須美子(よねさか・すみこ)さんの「遼(りょう)ちゃんのゆめ」は、幼い男の子が、玩具のゴルフクラブを振り下ろした瞬間や、水道の蛇口から溢れる水をごくごくと飲む顔、ゴルフクラブを担いで帰る後ろ姿など、堂々とした子供姿を活写している。
15日の有野教授による「全作品・講評」は、有野教授が大勢の出展者とともに会場をめぐりながら、各作品の前で立ち止まり、出展者に対して「何を表現したかったのか」と鋭く質問。その応答の中で〝写真撮影の神髄〟に迫るのが狙い。聴講は、出展者に限らず、一般参加も歓迎している。
大谷会長は「ほとんどの作品は、ドキュメンタリーであり、若い人の作品は〝心象写真〟が多いです。今は、デジカメやスマホで、だれでもどこでも、撮影できる時代ですが、いい写真を撮ることは、簡単ではありません。写真作品を生むのは〝機械〟でなく人間ですから、私たちは全員、各自テーマを持ち、日々撮影に励んで、出展しています」と話していた。
同展の開催時間は、14日(金)は午前9時~午後8時、15日(土)は午前9時~午後5時、16日(日)は午前9時~午後4時。
その他の出展作と出展者は次の皆さん
◇組写真∇秋田満州夫「南紀創成の歴史」∇飯田泰司「誘惑」▽井口稔章「俺たちの川」∇石井侃「橋本市の珍蝶」∇上野美幸「夏の日」∇大谷圭子▽「河川敷」∇落合和哉「流∇土井美紗代「風を待つ」∇中野光造「たまゆら」∇硲治家「水鳥」∇前滝悟「復興へ」∇前滝久恵「石仏巡礼」∇前田征三「相馬の野馬追い」∇溝端かほる「清幽」∇溝端博一「静かな海」∇森川司朗「Flowers」∇渡辺瑞枝「自然のかたち」
◇単写真∇上野忠夫「裏口、パフォーマンス、音合わせ」▽山本弘「僕の犬、境内、いざ出陣」。◇添花は嵯峨御流・榎本美保甫さん。
写真(上)はお母さんを車椅子に乗せて写真会場を案内するご夫婦。写真(中)は大谷さんの作品「横丁慕情」(組)の一部作品。写真(下)は沢山の個性的作品が展示された写真展会場。


更新日:2014年11月14日 金曜日 00:00

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