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圧巻!担ぎ屋台や渡御行列~5日、隅田八幡神社

鎌倉時代の放生会(ほうじょうえ=殺生を戒める宗教行事)を起源とする、和歌山県橋本市隅田町垂井の隅田八幡神社の秋祭りが、10月4日(土=宵宮)、5日(日=本宮)両日、同神社境内などで行われる。とくに「見もの」は、5日の本宮に登場する絢爛豪華な〝担ぎ屋台(かつぎだんじり)〟で、寺本嘉幸(てらもと・よしゆき)宮司は「威勢のいい日本の秋祭りです。ぜひ、ご覧ください」と言っている。同神社は、神功皇后が外征から帰朝、滞留した旧跡で、貞観元年(859)に欽明天皇の勅(ちょく)により勧請(かんじょう)。日本最古の金石文入り国宝「人物画像鏡(じんぶつがぞうきょう)」(現在、東京国立博物館に収蔵)が伝わった由緒ある古社。
5日の本宮は、橋本市中島区の御神輿(おみこし)1基と、中道、河瀬、霜草、中下の4区から〝担ぎ屋台〟計4基が勢ぞろい。〝担ぎ屋台〟には、2本の担ぎ棒が取り付けられていて、屋台全体は、同市恋野ゆかり中将姫や、武士の姿、日清・日露戦争の戦場など、刺繍(ししゅう)入りの羅紗(らしゃ)や、縮緬(ちりめん)製の幕で飾られている。
午前11時から、本殿で神官による祭典を営み、午後1時15分から、御神輿が境内を練った後、1時半から〝神輿渡御(みこしとぎょ)〟=和歌山県無形民俗文化財=を開始。総勢300数十人の若衆が、境内で屋台を担ぎ、笛太鼓の音に合わせて、「えらいやっちゃ、負けんなよ」と、威勢よい掛け声を発しながら、約1時間半にわたって、屋台を上下左右に揺さぶる。
この後、担ぎ屋台が〝露払い役〟として先導。御神輿、馬上の寺本宮司、祭員、巫女(みこ)、神具=榊(さかき)、天狗、獅子、御幣(ごへい)、鉾、長刀、弓矢、剣、唐櫃(からびつ)、太鼓、榊=、氏子総代らの行列が時代絵巻さながら、約1キロ先の御旅所(おたびどころ)まで練り歩く。
午後3時半から、御旅所(小さな祠)のある隅田中学校グラウンドで〝神幸祭〟が営まれた後、同4時から、御神輿を中心に、4基の担ぎ屋台が輪になり、一斉にお練(ねり)を繰り広げる。
4日(宵宮)は午前9時~午後4時、5地区の子供みこし5基が巡行して宮入り。一方、午後2時~午後4時、稚児行列が行われ、隅田小学校~同神社間約400メートルを練り歩くことになる。

秋祭りを控えて、同神社境内では、芙蓉(ふよう)の花が満開になり、参道の桜並木の下には、真っ赤な曼珠沙華が咲き競っていて、日増しに祭り気分が高まっている。

隅田八幡神社の寺本佳文・禰宜(てらもと・よしふみ・ねぎ)は「この秋祭りは、鎌倉時代の放生会を起源とし、〝神輿渡御〟は江戸時代末期から続く、わが国の祭りの原風景です。ぜひ、秋の一日を楽しんでください」と言っている。
写真(上、下)は、隅田八幡神社の秋祭り風景の記録写真。写真(中)は日本板画院同人・巽好彦(たつみ・よしひこ)さんの木版画「隅田八幡神社の担ぎ屋台」。


更新日:2014年9月27日 土曜日 22:06

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