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伝承音頭「やっちょんまかせ」の未来~6日にシンポ

和歌山県橋本・伊都地方に伝わる盆踊り音頭「やっちょんまかせ」(作詞・作曲・製作年代不詳)と地域の未来について考える、初のシンポジウム「〝やっちょんまかせ〟の未来を語る」が9月6日(土)、同県かつらぎ町のかつらぎ総合文化会館AVホールで開かれる。

昭和51年(1976)製作の貴重なレコード「やっちょんまかせ」「かわさきおどり」を保存する「盆連協」(橋本市盆踊り連絡協議会)前会長・高崎正紀(たかさき・まさき)さんは「盆踊りは、地域交流の原点であり、シンポジウムでは、盆踊りと郷土の未来を示してくれることと思います」と期待している。入場無料。要申し込み(定員200人)。

「盆連協」は平成12年(2000)7月、橋本・伊都地方に伝わる音頭「やっちょんまかせ」「かわさきおどり」「橋本音頭」の3音頭の普及を目指して発足。橋本・伊都青年会議所=井脇照之(いわき・てるゆき)当時理事長=は昭和51年、「やっちょんまかせ」(作詞・作曲、製作年代不詳)を歌・大倉一磨(おおくら・かずま)さん、太鼓・中谷竹久(なかたに・たけひさ)さん、「かわさきおどり」(同)を歌・金田たつゑさん、太鼓、三味線、囃子、クラリネット入りでレコーディング。

旧橋本市制施行30周年の昭和60年(1985)には、橋本市中央公民館の北森久雄・当時館長が演歌歌手・中村美津子さんに頼んで、「橋本音頭」=増谷栄一(ますたに・えいいち)さん作詞、北原雄一(きたはら・ゆういち)さん作曲、森川隆之(もりかわ・たかゆき)さん編曲でレコードを製作した。

これら3曲とも、紀の川や高野・大門、月やゆりの花など、郷土の情景が詠まれた作品で、以来、橋本・伊都地方の各盆踊り会場で披露。今では盆踊りになくてはならない音頭として親しまれている。

当日は午後1時開演。先ず、かつらぎ町三谷に伝わる「三谷の笹踊り」(映像)を初上映した後、パネルディスカッション「〝やっちょんまかせ〟の未来を語る」を開催。

コーディネーターは県教委文化遺産課の蘇理剛志(そり・つよし)さん、コメンテーターは橋本市文化財保護審議委員会委員長の宮本佳典(みやもと・よしのり)さんが務め、パネリストの県立紀北青少年の家運営協議会会長・松岡脩平(まつおか・しゅうへい)さん、盆連協会長の松本宇市さん、盆踊り音頭伝承者・大倉美邦(おおくら・みほう)さん、三谷笹踊り保存会会長・森田邦男(もりた・くにお)さんが、それぞれ盆踊りについての学識、経験を生かしながら、語り合うことになる。

橋本・伊都地方では、毎年、8月には市内8地区公民館主催の盆踊り、ほとんどの社会福祉施設主催の盆踊りがあり、各地区の盆踊り連が参加している。

高崎さんは「郷土に伝わる、独特の音頭に乗せて、みんなで仲良く踊る。しなよく踊って、施設の方々に楽しんでもらう。紀の川筋は今、最高の盛り上がりを見せています。シンポジウムは、きっといい方向性を示してくれることでしょう」と話した。

申し込み・問い合わせ=実行委員会事務局(かつらぎ町教育委員会生涯学習課内)=電話0736・22・0303。
以下「やっちょんまかせ」「かわさきおどり」歌詞。

♪<やっちょんまかせ>

歌=大倉一磨さん

太鼓=中谷武久さん

三味線・囃子

企画・選考=橋本・伊都青年会議所

わしの音頭は(ナーコリャ)

細谷川の デバサイ

蟹の(サー)横ばい あとやさき(ヨー)

トコヤッチョンマカセはよいやな

デバサイ

聞いておくれよ 私の音頭

デバサイ

うまくもないけど ふしがある

矢立腰にさして 花坂こえて

デバサイ

高野の大門 よことびに

声はすれども 姿は見えぬ

デバサイ

殿はみ山の ほととぎす

そっと忍んで きなされ様よ

デバサイ

真田幸村 ぬけ道を

行たら見てこら 橋本の御殿

デバサイ

うらは紀の川 船がつく

川のせのせの せのまんなかで

デバサイ

こだか投げるは わしのとの

ヤッチョンマカセを 踊ろと思や

デバサイ

昼の仕事も 手につかぬ

踊れ踊れよ 三十まで踊れ

デバサイ

三十過ぎたら 子が踊る

歌を唄って 仕事をすれば

デバサイ

何の仕事も 苦にならぬ

わしとお前は 妹山背山

デバサイ

中をへだてる 紀の川

♪<かわさきおどり>

歌=金田たつえさん

太鼓・三味線・囃子・クラリネット

企画・選考=橋本・伊都青年会議所

いづれ(ナー)これより(ヨーイ)

ごめんを(ヨー)

こうむり

わたしゃ(ナーコレハイショ)

ドッコイショ

音頭の(ヨー)

むだをいう(ヨーホイヨー)

ア ヨーイヨーイヨイトナー

ソコジャイ

盆と 正月

いっしょに来たらヨー

こたつ せおって 踊りましょ

盆にゃ 踊ろら

正月にゃ ねろらヨー

あいの 休みにゃ もちつこら

歌も唄うし

はやしも するしヨー

仕事 いきみの よいお方

姉は きりしま

妹は さつきヨー

生んだ かあさん かきつばた

様の いねぶり

前から 見ればヨー

五月 野に咲く ゆりの花

十五の 月ほど

まんまるまるとヨー

まるく 輪になり 踊りゃんせ

お前 百まで

わしゃ 九十九までヨー

共に 白髪の はえるまで

写真(上)は高崎さんが保存している「やっちょんまかせ」「かわさきおどり」のレコード。写真(中)は同レコードの歌詞・踊り方=右は大倉一磨さん、左は金田たつえさん。写真(下)は「レコード製作にあたって」の説明文と井脇照之さん。


更新日:2014年9月2日 火曜日 00:00

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