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〝傘鉾神事〟で雨乞い~古沢厳島神社~五穀豊穣祈る
雨乞いと五穀豊穣を祈る「傘鉾(かさほこ)」神事が、このほど和歌山県九度山町上古沢の古沢厳島(こさわいつくしま)神社で営まれ、その珍しい傘鉾行列の光景が、見物の人たちを喜ばせた。
先ず、同町上古沢、中古沢、下古沢、笠木の4地区から集まった若衆ら総勢21人は、8月16日、近くのお旅所で、お神酒(みき)を酌み交わして神事を開始。
次に若衆3人が各自、傘の周囲を布幕で囲って、秋の七草で飾った傘鉾(直径約2メートル)3本の中に入り、長さ1・5メートルの柄(え)を持って行進。衣紋(えもん)にすててこ、素足の18人を従えて、神社境内までの約100メートルの参道をしずしずと練り歩いた。
傘鉾行列は途中2度止まり、笛太鼓の音曲に合わせて「ありがたや神の威徳に雨降りて…」という、雨乞い神事のうたを合唱。本殿前では、傘鉾3本が横一列に並び、恭しく祈りをささげた後、3度、境内を巡り歩き、お伴の人たちが、笛太鼓にのせて〝雨乞いのうた〟を奏上した。
この傘鉾神事は、約300年の伝統があり、神社境内には県指定文化財の大銀杏(いちょう)が聳え立つ。見物の人たちは、改めて、森や田んぼと雨水の大切な関係を感じとり、アマチュアカメラマンらは、懸命に写真撮影に取り組んでいた。
写真(上)は神社本殿前で祈りをささげる傘鉾の若衆とお伴の面々。写真(中)は鳥居をくぐり古沢厳島神社の参道を練り歩く傘鉾の行列。写真(下)は雨乞いのうたを奏上して本殿前を巡り歩く傘鉾の若衆ら。
更新日:2014年8月18日 月曜日 00:00