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ジャンボ〝天の河〟手作り~高齢者「家族安泰」祈る

牽牛(けんぎゅう)と織姫(おりひめ)の、1年に1度のめぐり逢いの日の7月7日、和歌山県橋本市隅田町中島の特別養護老人ホーム「ひかり苑」のデイサービス施設で、「七夕祭り」が催され、高齢者らが子供のように楽しいひと時を過ごした。

この日、天井には、デイサービス担当の介護士・坂本定代(さかもと・さだよ)さんが考案・指導し、施設の利用者約40人が制作した、色鮮やかな〝七夕飾り〟でいっぱい。

例えば、天井に吊るした〝天の河〟は、水色の色紙で作った長さ約3・5メートル、幅約80センチのジャンボな作品。そこに牽牛・織姫の折り紙、金の星、灯ろう、折鶴など、約100点の笹飾りがぶら下がる。

別の場所には、紙コップとトイレットペーパーの芯(しん)を活用して制作した約40個の風鈴を吊るし、その短冊には「ひざの痛みを治して」など、自身の願望もあるが、ほとんどは「家族安泰」「家内安全」を願うことばが記されている。

高齢者らは、自分たち手作りの七夕飾りの下で、車椅子や長椅子に座ったまま〝タオル体操〟をして、しっかり心身を整えた後、「七夕祭り・勉強会」に移り、坂本さんのお話を聴いた。

坂本さんが「七夕祭りは、平安時代から宮中で開かれ、星を眺めて、香をたき、音楽や詩歌を楽しみ、祈りをささげました」と話し、さらに「江戸時代以降は庶民の間にも広がり、七夕飾りは昔、河川に流していたましたが、今では川を汚さないようにと、焼納(しょうのう)されています」などと説明した。

高齢者からは「時代も変わったね」「でも願い事だけは通じてほしい」という声が溢れて、坂本さんが「皆さんが丹精込めて七夕飾りを作ったから、その祈りは必ず〝天の河〟に届くはずですよ」と語り掛けると、高齢者らはにっこりとほほ笑み、安堵した表情を見せていた。

また、七夕飾りの下での〝おやつの時間〟は格別で、利用者同士が仲良く、コーヒーや紅茶、ミニ羊羹(ようかん)ロールを味わい、七夕祭りについての昔話を述懐し合っていた。

写真(上)は天井の七夕飾りの下で坂本さんの「七夕祭り」のお話を聴く高齢者たち。写真(中)は七夕飾りの下で〝タオル体操〟する高齢者たち。写真(下)は看護師に見守られながら、坂本さんから七夕祭りのお話を聴く高齢者たち。


更新日:2014年7月8日 火曜日 00:00

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