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心癒す〝半夏生の花〟~農家・休養シーズン入り
日本の農繁期の終了期とされる「半夏生(はんげしょう)」の日の7月2日、和歌山県橋本市恋野のカフェ&ギャラリー「藪椿(やぶつばき)」=新田綾子(にった・あやこ)さん経営=で、純白の「半夏生の花」が飾られ、この季節の落ち着いた雰囲気を感じさせている。
半夏生は夏至(げし)から11日目。田植えシーズン終了の季節で、農家がしばらく休養をとり、餅(もち)や団子(だんご)、蛸(たこ)などを食べる習慣がある。また、この頃に咲く「半夏生の花」は、ドクダミ科の多年草で、片側が白粉(おしろい)をつけたようであることから、「半化粧」とか「片白草」とも呼ばれている。
恋野地区は「中将姫伝説」や「おいしい恋野米」で知られる、紀の川流域の丘陵地に広がる田園地帯。
新田さんは農家ではないが、「藪椿」周辺の畑で、季節野菜を栽培。半夏生もほんの少々、店舗南側の枇杷(びわ)の木陰に植栽した。今、その数輪が開花して、楚々と風に吹かれ、そのうちの1輪を花瓶に生けて、店内の柱に掛けた。
訪れる人たちは「これ、何という花?」と尋ねたり、深緑の中に小さく際立つ半夏生の花に見入ったり。店内に四季折々の花々を飾り続けている新田さんは、「なかには静かに半夏生を眺め、この季節を感じてくださる方々もおられます」と、にっこり話していた。
時うつる柱の壺の半夏生 (水津順風)
写真(上)は「藪椿」店内の柱の壺に飾られた半夏生の花。写真(中、下)は「藪椿」南側で栽培されている半夏生の花。
更新日:2014年7月3日 木曜日 01:23