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人気の峡谷・温泉地に~上西さん緑化活動・受賞報告
和歌山県橋本市、九度山町、高野町を流れる、玉川峡の自然環境・整備保全に尽力したとして、林野庁長官表彰を受けた「やどり地域振興協会」理事長・上西進(うえにし・すすむ)さん(76)=同市隅田町中下=は、6月17日、和歌山県伊都振興局に古田雅昭(ふるた・まさあき)局長を表敬訪問、受賞報告をした。上西さんは「郷土の山河を守り、立派な観光スポットにしたい」と誓い、古田局長は「自然環境保全には、行政も協力するので、ご活躍をお願いしたい」と話した。
上西さんは橋本市宿の温泉宿泊施設「やどり温泉いやしの湯」近くの玉川峡の出身。これまで玉川漁業協同組合長、やどり地域相談員などを歴任。温泉施設の運営、周辺の緑化・清掃活動なども推進してきた。
とくに紀伊丹生川ダム建設計画(すでに中止)の中で、近隣の森林所有者をまとめ、約20ヘクタールの未整備森林の整備に着手。クヌギ、カシ、ケヤキ、モミジなど1100本の広葉樹を植林するなど早期育成に貢献。
平成24年の「やどり温泉いやしの湯」オープンの頃には、周辺の山々を自ら点検・踏破。ハイキング5コースをまとめ、橋本市の協力を得て詳細マップを作成。自ら名勝〝玉川四十八石〟やハイキング道を案内、森林の名前や特色などの説明にも努めてきた。
その功績が高く評価され、6月1日、新潟県で開かれた「第65回全国植樹祭」で、和歌山県内から上西さんが1人、林野庁長官=沼田正俊(ぬまた・まさとし)長官=表彰(感謝状)に輝き、現地にブナ、コナラなどの苗を記念植樹してきた。
この日、上西さんが伊都振興局の応接室で、古田局長に表彰状を披露、受賞報告したのに対し、古田局長が「玉川峡の緑化・自然保全活動に敬意を表します」と謝辞を述べた。
また、古田局長が「将来の夢は」と尋ねたのに対し、上西さんは「玉川峡は今、源氏ボタルが乱舞し、素晴らしい峡谷ですが、例えば春は花、夏は緑、秋は紅葉となる灯台躑躅(どうだんつつじ)を植えるなど、さらに工夫したい」と述べ、「今後、行政の力も拝借しながら、緑化活動、道路整備を進め、アユ、アマゴの清流、四季折々の樹林を生かした、人気の秘境・温泉地にしたい」と語った。
写真(上)は玉川峡の五光の滝周辺の整備に尽力する上西さん。写真(中)は林野庁長官表彰を披露する上西さん=左=と古田・伊都振興局長。写真(下)は玉川峡の蛍袋を愛でる上西さん。