ニュース & 話題
平木氏&岩田氏が政策強調~橋本市長選公開討論会
3月16日投開票の和歌山県橋本市長選を控えて、「橋本市の未来を考える」をテーマにした「橋本市長選公開討論会」が、3月4日午後7時~同8時半、同市高野口町の橋本市産業文化会館(アザレア)大ホールで開かれた。テレビでお馴染みの足立基浩(あだち・もとひろ)・和歌山大学経済学部教授がコーディネーターを務め〝ぶっつけ本番〟で質問。くじ順で着席した立候補予定者の元県議・平木哲朗(ひらき・てつろう)氏と元県議・岩田弘彦(いわた・ひろひこ)氏の2人が、思想信条や政策などを率直に答えた。
一般社団法人・伊都青年会議所 同実行委員会が主催、NPO法人・わかやま市民自治ネットワークが後援。市民約400人が参加した。
最初に伊都青年会議所の前田将人(まさと)理事長が「討論会は橋本の未来のためにと企画しました。討論会は公正中立に行います」と挨拶した。
討論会の〝あらまし〟については、足立教授から「自己紹介」を求められた2人が、簡潔に市議、県議経験を述べた後、平木氏は「橋本を元気なまちにしたい。間もなく合併特例債の償還も始まるので、財政運営を安定させたい。企業誘致、立地開発を進めたい。未来の子供たちのために、知恵をしぼりたい」と力説。岩田氏は「橋本は和歌山県の魅力ある玄関口であり、その発展に力を入れてきた。柿、パイル織物、へら竿は大切だし、高野山に通じる黒河道(くろこみち)を世界遺産にしたい。児童の虐待、いじめ・不登校対策にも取り組んできた」と強調した。
次に足立教授は「医療・福祉」について質問。岩田氏は「医療・介護の連携を保つこと。療養型のニーズが高まるので、地域密着型の介護が大切。安全安心で元気に暮らせるように」と述べ、平木氏は「医師の確保、在宅医療・介護も大切。公共交通を守り、移動・買い物支援が必要。安心して医療・介護を受けられるように」と話した。
また、足立教授が「教育の方向性」について質問すると、平木氏は「学力、体力をつける。小学校から英語教育を実施、橋本は数学者・岡潔博士のまちなので、数学日本一も目指したい。土曜日は学校を地域に開放し、スクールボランティアに教育をお願いしたい」と説明。岩田氏は「橋本の学力は高くない。日本で高いのは、秋田、福井県で、先生の話をしっかり聞けば学力が向上する。体力は外で遊ぶこと。学力、体力づくりの環境を整えたい」と訴えた。
足立教授の「日本の財政は厳しく、地方都市に波及してくる。さて行財政改革は」との問いに、岩田氏は「市民サービスを低下させないで、目標を設定して、市民に見える形で取り組む。新しい公共という考え方で、住民提案により、民間活力を生かす」と話し、平木氏は「人件費、事務費、既存事業、補助金の効果などを、聖域なく見直す。職員のプロフェッショナル精神で、仕事の能率化を考える」と述べた。
さらに立候補予定者同士の「クロス・トーク」で、岩田氏が「文化スポーツはどうする」と尋ねたのに対し、平木氏は「公民館活動でいろんな取り組みをしているので、それを支援したい。スポーツは指導者の育成が大切」と応じ、平木氏が「職員の能力向上について」と尋ねると、岩田氏は「仕事を専門的にできる人、幅広くできる人など、それぞれ適材適所に配置する。これまでの年功序列ではなく、管理職研修も大切」と応じた。
最後に足立教授は「きょうの討論会は、何の打ち合わせもなく、質問させていただきましたが、お二人は見事に応えてくれました」と締めくくった。石田源一郎・実行委員長は閉会の挨拶で、「お二人に課題や夢を語っていただきました。今後の橋本市をしっかり見守っていきましょう」と述べて、会場から大きな拍手が起きていた。
同市長選は同市議補選(欠員4)とともに3月9日(日)告示、同16日(日)投開票。橋本市区の県議補選(欠員2)も同7日(金)告示、同16日投開票される。
写真(上)は討論会で質問を投げかける足立教授。写真(中)は足立教授の質問に答える平木氏。写真(下)は足立教授の質問に答える岩田氏(写真位置は立候補表明順)。