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国城山の残雪、夕日、除雪の山道(2月のスケッチ)
2月も早や20日、大雪から6日目。和歌山県橋本・伊都地方は、寒風の中にも、日が照りかげり。国城山には残雪が輝き、雑木林に夕日が沈み、山道には除雪のかたまりが続く。暦のうえでは春ながら、まだまだ寒い2月下旬の光景を呈した。
国城山は標高552メートル。かつては森林の深い山だったが、10数年前の台風で、杉やヒノキ、松がおびただしく倒木。今では遠目にも、山頂の国城神社が拝めるほどとなり、先日の大雪(45センチ)は、日当たりの乏しい山襞(やまひだ)にのみ残っている。
その山麓の橋本市の図書館の窓からは、夕刻、電灯の明かりがもれていて、生徒たちが高校・大学受験の勉強に没頭しているらしい。国城山の残雪と、図書館の明かりは、この季節特有の厳しさを物語った。
昼は昼で、橋本市向副~玉川峡(やどり温泉)~高野町(筒香)の国道や県道は、その両脇に雪だるまのような大雪の塊(かたまり)の列。数人の除雪作業員が、スコップを使って、せっせと雪を取り除いていた。
また、平成18年3月、古い橋のすぐ隣に新設された「新西谷橋」周辺は、まだまだ深雪に覆われていて、杉木立の県道わきには、大きな雪のかたまりが続く。たまに通るトラックや郵便配達のバイクは、雪に乗り上げないよう、慎重運転に心掛けていた。
一方、この日の寒風をやわらげ、いくらか山中の雪を解かした太陽は、三石山系の雑木林に抱かれるように沈んでゆく。散歩中の夫婦は「あっという間に春やで」「わたし、花粉かなわんわ」「目にみどり、耳にうぐいす。やっぱり春はええよ」などと、息を弾ませていた。
写真(上)は国城山の残雪。写真(中)は雑木林に沈む冬日。写真(下)は高野町下筒香「新西谷橋」周辺の雪景色。