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第67回「紀北文人展」が開幕~書・画など67点

紀北地方の文人墨客の作品を集めた「紀北文人展」が1月24日(金)、和歌山県橋本市東家の橋本市教育文化会館4階で始まった。会場には個性豊かな書、日本画、陶芸、木版画、石刻、生け花など計36人の67点を展示。主催者の紀北文人会会長・坂部蒼石(さかべ・そうせき)さんは「気軽にご覧ください」と来場を呼び掛けている。26日(日)まで。入場無料。
紀北文人会は、書家の西林凡石(にしばやし・ぼんせき)さんら3人が、戦後の混乱期に「日本文化を大切に」と考え、1948年6月に発足。市内の応其寺で開催したところ、大勢の市民が殺到し、大反響を呼んだ。これが力となり、後に橋本市役所前の後藤ビル2、3階の画廊、さらに同教育文化会館に会場を移して開催。今回で67回目になる。
例えば、書を見ると、山口酔岳(すいがく)さんは「だいこん」の題で、榎本栄一(えのもと・えいいち)さんの詩「大根はいいな 味がないようで味があり 私はこの年になって まだ大根の味がだせないようだ」と書き、諏訪原蘇外(すわはら・そがい)さんは「外にも出よ」の題で、中村汀女(ていじょ)の俳句「外にも出よ触るるばかりに春の月」としたためている。
また、防野宗和(ぼうの・そうわ)さんは「あなたを」の題で「あなたを見つめる人がいる」と書いているほか、かわいい石刻「のぼとけ」を出品。巽好彦さんは版画「江戸を伝えて」の題で〝日本建築の天ぷら屋のたたずまい〟を飾っている。
西林さんの二女にあたる書家の後藤加寿恵(かずえ)さんは「私たちは、自分の好きな俳句や和歌、漢詩などを、心を込めて書きますが、その時に、その意味や心を書として表現します。作者に書を褒められた時、それは本当にうれいですよ」とにっこり。坂部さんは「すべて奥が深いですので、だんだん作品は専門的になっていきますが、この会場に出展されている方々は、それぞれ極めておられるようです」と話した。
紀北文人展の時間は午前9時半~午後5時(最終日は午後4時)。なお「それぞれの世界展」も同会館4階で同時開催されている。
写真(上)は力強い「彫」という書などが並ぶ紀北文人展。写真(中)は美しくしたためられた中村汀女の俳句。写真(下)は陶芸品や書作品が並ぶ展示会場。


更新日:2014年1月25日 土曜日 00:04

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