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元旦〝かぎろひ〟拝みたい~国城山頂、甘酒を振舞う

平成26年・甲午(きのえ・うま)・元旦…、和歌山県橋本市の国城山(くにぎさん)から、運さえ良ければ、万葉集にある「かげろひ」(曙光=しょこう)が見られるかも知れないと、地域ボランティア〝プロムナード国城〟代表の徳田勝治さん(68)は証言し、「もしも、かげろひを見ることが出来たら、その年は最良の年になるかも知れません」と、参詣登山をすすめている。
国城山(標高552メートル)は、征夷大将軍・坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ=758~811)ゆかりの聖山で、山頂には国城神社や三平神社が建立されている。
毎年、大晦日~元旦には、地元の人たちが、国城神社・境内に大釜2基を据え付け、薪(たきぎ)を炊いて、甘酒をつくり、お神酒(みき)とともに参拝者に振舞っている。
「かぎろひ」は万葉集に「東(ひむがし)の 野にかぎろひの 立つ見えて かへり見すれば 月傾(かたぶ)きぬ」(柿本人麻呂=かきのもとのひとまろ)とあり、日本人にはたまらない自然の風情が詠まれている。徳田さんは平成19年(2007)元旦、国城山の山頂で、この「かげろひ」を拝むことができ、その光景をカメラに収めた。
徳田さんの話によると、夜明け前の神社境内で〝どんど焼き〟をして、参拝者とともに暖まっていたところ、東の空が白んできた。すると、大和の国の大峯山、大台ケ原の稜線の向こうは、まるで仏像の後光のよに、明るさを増してきて、まさに「かげろひ」が揺らめいてきた。「あぁ」と万葉集の一首を思い出し、あわててデジタルカメラで撮影した。その時、西の空に下弦の月が傾いていたかどうか、それは、ほとんど「かげろひ」に気を取られていて、今ではまったく記憶にないらしい。
徳田さんは「昔は大晦日から、大勢、山道を登ってきたが、最近は、元旦の夜明け前からにかわってきた」と説明。「とくに橋本の方々は、国城山から初日を拝んで、改めて自分たちの暮らす、古里の風景を眺めてみると、いい新年になると思います」と、参詣登山をすすめている。
写真(上)は国城山山頂から見えた東の空のかげろひ。写真(中)は国城神社境内で〝どんど焼き〟に暖まる参詣者たち。写真(下)はかげろひの中から初日が見えてきた国城山山頂=いずれも平成19年元旦=徳田さん撮影。


更新日:2013年12月25日 水曜日 00:00

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