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師走のまちを托鉢行脚~妙楽寺本堂の再興願う

和歌山県橋本市東家3丁目の紀伊西国三十二番札所・嵯峨天皇勅願所・真言律宗「妙楽寺」の岩西彰真(いわにし・しょうしん)住職と妙楽寺再建再興委員会(森下功委員長)の男女10数人は、12月22日、老朽化により台風で崩落した本堂の再建浄財を求めて、同市東家区内を托鉢行脚(たくはつあんぎゃ)した。
同寺は820年(弘仁11)に弘法大師・空海が創建。戦火を受けるなど再建を繰り返し、一昨年秋には本堂と庫裏の屋根が老朽化と台風のため崩落・撤去した。
同寺は檀家のない寺で、再建資金が皆無のため、区民有志が「妙楽寺再建再興委員会」をつくり、本堂再建に立ちあがった。
この日、淡い冬日差しと、底冷えのする中、網代笠(あじろがさ)姿の岩西住職は、首に輪袈裟(わげさ)を掛けた母・康子(やすこ)さんや、男女有志とともに、商店や民家約90軒をまわり、軒先で般若心経を唱えて合掌した。
出迎えた商店主や家人らは「ご苦労様です」と浄財を手渡すと、岩西住職や有志らは「托鉢御礼」の文を差し出し、「ありがとうございます」と、深々と頭を下げていた。
同寺の本尊・薬師如来座像と、脇侍(わきじ)の大日如来座像、薬師如来座像の3体(県重要文化財)は現在、橋本市郷土資料館で保存中。また最近、紀の川筋で最古の仏像と確認された観音菩薩立像(奈良時代後期~平安時代初期)は、橋本市文化財に指定されている。
同委員会では「一日も早く本堂を再建し、仏像を新本堂に戻して、多くの人々に拝観していただきたい」と、協力を訴えている。
岩西住職は、高野山真言宗・総本山金剛峯寺の松長有慶(まつなが・ゆうけい)座主・管長の随行を務める厳しい修行中の僧侶。昨年も東日本大震災・被災者支援の托鉢寒行を行い、浄財10万4900円は、市を通じて寄贈している。
写真(上)は妙楽寺再興を願い托鉢行脚する善男善女たち。写真(中)は民家の軒先で般若心経を唱える岩西住職の御手と錫杖。写真(下)は托鉢行脚の途中、記念撮影する委員会メンバー=いずれも同委員会委員で写真家の中本義則(よしのり)さん提供。


更新日:2013年12月23日 月曜日 00:17

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