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世界へ〝ミニ屏風〟を~池田さん富士山や古都制作

自ら編み出した〝紀州高野組子細工(きしゅうこうやくみこざいく)〟の品が「世界のみやげもの」になってほしいと、木工芸家・池田秀峯(しゅうほう=本名・秀孝)さん(66)=和歌山県橋本市東家=は、「世界遺産・富士山」などの〝ミニ屏風〟作品5点を、第10回「魅力ある日本のおみやげコンテスト」に送った。池田さんは「1月の同コンテスト審査発表の結果はともかく、今後、組子細工に日本の風景を織り込み、その素晴らしさを世界にアピールしていきたい」と張り切っている。
池田さんは、昔ながらの組子細工を基本に〝きのくに・ちぎれはめ込め技法〟を発案。今では同組子細工品は、和歌山県の伝統的工芸品に指定されている。
池田さんは10月下旬、県企画産業課から「ここへ応募してみては」と、資料提供された瞬間、「組子細工を世界のみやげものにしたい」と決心。約1か月がかりで、外枠は高野山・中門再建に使われている高野霊木のヒノキ、三つ組手は高野杉を使い、独自の〝ちぎれはめ込め技法〟でミニ屏風(2曲=高さ約40センチ、幅約60センチ)を制作した。
作品は、自ら鷹(たか)の目になり、空高くから展望した「世界遺産・富士山」を2作、奈良・薬師寺をイメージした「古都」を2点、世界的に名高い葛飾北斎(かつしかほくさい)の富嶽(ふごく)三十六景の「神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)」を1点の計5点。
とくに「神奈川沖浪裏」の図柄は、かつて大学生が、パソコンで組子を図柄に配置するデジタル化に挑んだが、未完に終わっている。そこであえて「自らの組子技法で、それに取り組んだところ、上々の作品に仕上がり、パソコンに勝てたと思いました」とにっこり笑う。
コンテスト審査結果は、来春早々に発表があり、入賞作品は東京ドームに展示される予定で、世界の人々に〝魅力ある日本のおみやげ〟として紹介、提供されていくことになる。
池田さんは「昼間は日常の仕事をし、夜は午前2時、3時まで、ミニ屏風作りに、没頭しました。私にとって、世界の人々への〝日本のみやげもの〟作りは、今、スタートしたばかりです」と、力強く語った。
写真(上)は日本のおみやげ〝ミニ屏風〟を制作した池田さん。写真(中)は池田さん制作のミニ屏風「世界遺産・富士山」。写真(下)は同ミニ屏風「古都」。


更新日:2013年12月11日 水曜日 00:22

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