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雑木サンパツ、国道すっきり~観光バス走ってね

雑木林の枝葉が垂れ下がり、大型車の通行の支障になっていた和歌山県橋本市柱本の紀見トンネル~大阪府河内長野市石仏間の国道371号線で、今月、沿道の雑木林の剪定(せんてい)作業が行われた。大阪、和歌山両府県は、このほど紀見トンネルの東側で、新紀見トンネル(仮称)に着工することに合意したが、多くの車両は、新紀見トンネル開通後も長期間、同371号線を使うことになる。それだけにドライバーから「大型車も走れる雑木林の剪定はありがたい」と喜ばれている。
橋本市と橋本商工会議所の話を総合すると、府県境にある紀見トンネル~石仏間約2キロの同371号線は、大阪方面行きの左側の山斜面に雑木林や竹林が多く、計4か所で枝葉が垂れ下がり、大型車の屋根に当たる状態が続いていた。
このため、橋本市の自動車販売会社は、新車輸送するにも、新車が竹笹に傷つけられるので走れない。大阪府北部へは奈良経由で運び、南部へはコスト的に運べない。世界遺産・高野山参詣の観光バスも、わざわざ奈良経由で走るケースが増えていた。
このため、橋本市と橋本商工会議所は、雑木林を調査した橋本市学文路の機械設備業・海堀博史(ひろふみ)さん撮影の現場写真を添え、大阪府側に雑木林の伐採整理を依頼。これを受けて、大阪府富田林土木事務所は、今月上旬、選定作業を行い、道路上の枝葉を切り取り、すっきりさせた。枝葉は再び繁殖することになるが、とりあえず大型車は軽快に往来している。
一方、新紀見トンネル(2・1キロ、上下各1車線)は、総事業費約60億円(うち大阪府40億円負担)で、工事委託を受けた和歌山県が15年度に着工、約5年がかりで完成させたい考え。これをつなぐバイパス道路の完成はさらに長引くことになり、橋本~河内長野間は、現在の国道371号線を使い続けることになる。
橋本市の木下善之市長は「当市では、企業誘致を進めているが、大阪と橋本を結ぶ幹線道路が一番重要。バイパス完成までは、とりあえず、国道371号線の整備を、ぜひお願いしたい」と強調し、橋本商工会議所の畑野富雄会頭も「雑木林を剪定するだけで、観光バスや大型車が走ります。府県間の経済、生活、利便のためにも、この〝動脈〟を大切にしてほしい」と訴えている。
写真(上)は雑木林が選定された大阪府河内長野市の国道371号線わきの雑木林。写真(中)は剪定前の雑木林。写真(下)は国道371号線・紀見トンネル付近(大阪府河内長野市側)。


更新日:2013年11月28日 木曜日 21:32

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