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岡潔博士の顕彰碑24日除幕式~一般参加・大歓迎

世界的な数学者で文化勲章受章者である和歌山県橋本市の名誉市民・岡潔(おか・きよし)博士(1901~78年)の、メガネを掛けた顔と多変数解析関数の直筆をデザインした「岡潔博士 顕彰碑」が、橋本市役所玄関前に完成し、11月24日(日)午後1時半から、岡博士の家族や友人、教育関係者らが集まって除幕式が行われる。顕彰碑を建立・寄贈する橋本ロータリークラブ=小西捷治(しょうじ)会長=は「どなたでも結構、岡先生を敬愛される方は、ぜひ、除幕の長い紐(ひも)を引っ張って下さい」と参加を呼び掛けている。
顕彰碑は高さ約1・8メートル、幅約80センチの黒石(ジャズバーグ)製で、上部には文化勲章を受賞した後の顔写真をもとにデザインした、岡博士の眼鏡(めがね)を掛けた飄々(ひょうひょう)とした表情が刻まれている。
下部には岡博士の著書「一葉舟」から抜粋した「日本民族は情の民族である。人と人との間によく心が通い合うし、人と自然との間にもよく心が通い合う。この心を情というのである。日本民族は情によってつながっているのである 岡潔 」という文が刻まれた。
その脇には「日本数学史上最高の世界的数学者 最初の橋本名誉市民」と題した石碑を建て、岡博士は「1901年 寛治・八重の長男として誕生 1925年 京都帝国大学理学部数学科を卒業と同時に同大学講師に就任 1929年 フランスに留学 生涯の研究テーマとなる 「多変数解析関数論」に出会う 後年 その分野に於いて 世界中の数学者が解けなかった「三大問題」をたった一人ですべて解決した 京都帝国大学のほか 広島文理科大学 北海道大学 奈良女子大学 京都産業大学で教鞭を執る 1960年 文化勲章受章 1961年 橋本市名誉市民となる 1963年 「春宵十話」をはじめ「日本のこころ」「風蘭」「紫の花火」「春風秋雨」「月影」「一葉舟」等… 1978年 逝去 」と、輝かしい略歴が刻まれている。
除幕式は午後1時半から開催。国歌斉唱の後、岡博士の長男・熙哉(ひろや)さん・梅野さん夫妻と二女・松原さおりさん、小西会長ら大勢が参加して行う。
会長挨拶、目録贈呈、市長挨拶、感謝状贈呈、岡潔博士・略歴紹介があり、紀北工業高校と伊都高校の吹奏楽部有志が「仰げば尊し」を演奏。岡家の方々に花束を贈呈した後、「ふるさと」を斉唱、参加者全員で記念撮影を行い、松原さおりさんのリードにより、全員で「なごりはつきねど」を合唱して締めくくる予定。
また、同ロータリークラブ・社会奉仕委員長で、顕彰碑建立を企画・立案した奥村浩章さんは、高野山・奥の院千年杉の根張りの竹の子もく(木目)を素材に、岡博士のレプリカ(高さ50センチ、幅30センチ、厚さ3センチ)を制作。「根張りとは、いわば、木立の支柱。先生の思想が、全世界に向かって、大木となることを願う」として、岡家に贈呈することになっている。
奥村さんは「除幕の紐は、思い切り長くしました。岡博士の偉業をたたえ、その思想を心に刻み、次世代に伝承しましょう」と訴えている。
写真(上)は顕彰碑に刻まれた岡博士の表情の原画。写真(中)は完成し除幕を待つ橋本市役所前の岡潔博士の顕彰碑。写真(下)は奥村さん制作の岡潔博士の木製レプリカ。


更新日:2013年11月22日 金曜日 15:42

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