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「初心にかえる」田倉理事長~障害者支援施設30年

和歌山県で初めて開設された障害者支援施設、社会福祉法人・ゆたか会「リハビリ橋本」=田倉妙子(たくら・たえこ)理事長(86)、同県橋本市柱本22=の創立30周年記念式典が、11月16日、仁坂吉伸・和歌山県知事や木下善之・橋本市長、社会福祉関係者ら約300人が参集して開かれた。田倉理事長は「これまで施設を運営できたのは、ひとえに皆様のご協力のお陰です」と感謝、「今後も初心にかえり、障害者のために尽くしたい」と誓った。
社会福祉法人・ゆたか会は、昭和57年(1982)に国の認可を受け、翌年5月に「リハビリ橋本」を開設。長女の上好(うえよし)久子さん(61)が施設長、二女の宮井慶子さん(59)が障害者の〝音楽療法〟を担当。介護士、看護師など約60人で昼間は80人、夜間は50人の、障害者の介護支援に当たっている。
この日の午前、記念式典は同施の設駐車場に大テントを張り、特設ステージと円形テーブル席を設け、上好さんの開式の辞で始まった。初めに来賓挨拶に立った仁坂知事は「障害のある人もない人も、手を取り合って生きることが大切です。そのためには田倉・理事長のような方がいないとできない。当施設では音楽療法や文化行事など、素晴らしい運営をしておられる。私たちも協力しなければなりません」と祝辞。
続いて木下市長は「田倉・理事長は、基本的人権を大切にし、アットホームな生活の実現に取り組んでこられました。ここは橋本・伊都地方の中核的な拠り所です」と敬意を表したうえ、「私たちも住みよいまち、住んで良かったと思えるまちづくりに尽力しなければ」と祝意を述べた。さらに、石田真敏・衆議院議員、日野博愛・全国身体障害者施設協議会会長、平木哲郎・リハビリ橋本家族代表の来賓祝辞が続いた。
この後、田倉・理事長が挨拶に立ち、「私は若い頃から、社会福祉の大切さを感じていたので、主人亡きあとは、先ず温泉保養施設をつくり、次にリハビリ橋本を設けました。女手ひとつでも、やるしかないと、手さぐりで運営。ボランティアや地域の方々のご協力で、春は花見、夏は盆踊り、秋は観月会、冬はクリスマス会を、利用者とともに楽しませていただきました。超高齢化の時代、その環境変化に対応し、初心にかえり頑張りたい」と決意、謝辞を述べた。
また、和歌山県立医科大学の山本宏・名誉教授が「介護と福祉のこころ」と題して記念講演。母親が子どもに母乳を与える姿を例にあげ、母と子どもの目が合う良さ、現代の加工食品と違う母乳の良さを強調し、大きな拍手を浴びていた。
午後は〝邦楽ナンバーワン〟の和歌山県立橋本高校邦楽部が筝を演奏。向井嘉久蔵・橋本市社会福祉施設連絡協議会会長の乾杯音頭で、全員、円形テーブル席で会食。ステージでは、宮井さん指揮で、橋本の「コーラス カナリヤ」(約20人)が「トロイカ」「旅愁」「花は咲く」を合唱し、和やかな空気が流れた。上好さんは「こんなに大勢のご参加をいただき、今後の施設運営の大きな励みになります」と喜んでいた。
写真(上)はリハビリ橋本創立30周年記念式典で挨拶する田倉・理事長。写真(中)は田倉・理事長(右手前から3人目)の功績をたたえる木下・橋本市長(左手前)や北村翼・前橋本市長(右手前)ら。写真(下)は宮井さん指揮で「花は咲く」などを披露する「コーラス カナリヤ」の女性たち。


更新日:2013年11月16日 土曜日 23:15

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