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橋本市文化賞・功労賞・奨励賞決まる~3日表彰
和歌山県橋本市の平成25年度・橋本市文化賞に高野口町名倉出身(京都府宇治市南陵町在住)の「橋本市史」を監修した京都大学名誉教授の上横手雅敬(うわよこて・まさたか)(82)さんと高野口町伏原の洋画家で橋本市展洋画部門審査委員の石井明夫(いしい・あきお)さん(73)の2人、文化功労賞に「橋本市史」の編集発刊に貢献した同市妻の東毅(ひがし・たけし)さん(81)と古典芸能の普及継承に努めた同市東家の歯科医師・後藤光基(ごとう・てるもと)さん(故人=享年76)の2人、文化奨励賞に「橋本市まちの史料保存会」(村木宏代表ら7人)に決まった。11月3日(文化の日)午前9時から、橋本市教育文化会館2階で表彰される。
上横手さんは日本近世史研究の第一人者で、「和歌山県史」の編纂(へんさん)などに尽力し、平成6年に和歌山県文化賞を受賞、同22年には瑞宝中綬章を受章。主な著書に「日本中世政治史研究」(塙書房)、「鎌倉時代政治史研究」(吉川弘文館)、「源平争乱と平家物語」(角川書店)などがある。
石井さんは、和歌山大学在学中、新制作協会の峠原敏夫氏に師事、洋画を学んだ。小学校長や橋本市教育委員会委員などを歴任する傍ら、示現会の山本龍昇氏の薫陶を受け、風景画中心に制作し、昭和41年には若干26歳で示現会賞を受賞した。現在、県美術家協会理事で高野口絵画同好会会長。後進の育成に努めている。
東さんは、和歌山大学で日本近代史を専攻。橋本・伊都地方の小中学校で教鞭をとり、かつらぎ町立大谷小学校校長を最後に退職。橋本市文化財保護審議会委員、橋本市史編さん委員会委員として尽力。事務局としても「橋本市史」編集発刊に貢献した。和歌山県文化財研究会理事などの要職を務め、大きな役割を果たした。
後藤さんは大阪歯科大学を卒業。歯科医療に携わる傍ら、橋本地区公民館長や橋本市教育委員長などを歴任。狂言師・安東伸元氏に師事し、平成6年には「橋本狂言を楽しむ会」を設立。
市内の葛城神社や隅田八幡神社境内で薪狂言や「こども狂言教室」を開催。能面師・石倉耕春氏に師事し、能面展活動で国際交流も行った。
「橋本市まちの歴史資料保存会」(事務局=橋本市古佐田)は、平成14年8月に結成。応其上人ゆかりの橋本の町が、区画整理事業で変貌する中、解体撤去される町家の歴史・生活資料を保存。これらを調査整理して「まちかど博物館」に展示するとともに、オリンピック金メダリストの前畑秀子さん、古川勝さんらの顕彰活動にも取り組んでいる。平成20年の応其上人没後400年の記念顕彰事業では、その実行委員会の中心的役割を担い、同23年には顕彰事業をまとめた報告書を刊行している。
写真(上)は文化賞を受賞する(左から)上横手さん、石井さん。写真(中)は文化功労賞を受賞する(左から)東さん、後藤さん。写真(下)は文化奨励賞を受賞する「橋本市まちの歴史資料保存会」の皆さん=「橋本まちかど博物館」で。