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いい思い出に~旧橋本小での盆踊り~東家しんし会
和歌山県橋本市東家の旧・橋本小学校グラウンドで、8月11日、恒例の「しんし会 盆おどり大会」(同実行委員会主催)が開かれた。同小学校は今春、橋本中学校に統合され、校舎は近く撤去されるので、楽しい校内での盆踊りは、これが最終となった。地元住民でつくる「東家しんし会」の坂部守哉会長(53)は「夏休み中の子供たちも、家族や友達とともに、いい思い出にしてくれたら」と語った。
同小学校は今年で創立140年、卒業生は1万数千人にのぼる。体育館は「東家体育館」と改称、市民の体育施設になったが、鉄筋3階建て校舎は近々撤去。グラウンド東側に「こども園」を建設し、西側をグラウンドとして残すことになっている。
この日、グラウンド中央に設けられた櫓(やぐら)から、四方に真っ赤な提灯(ちょうちん)が沢山吊るされ、午後6時から餅まき、同7時頃から盆踊りが始まった。テントが張られた夜店(模擬店)では、子どもたちが、大きく口を開けて、かき氷を食べたり、スマートボールすくいを楽しんだり。日没とともに、提灯明かりもくっきりとし、昔も今も変わらない光景が、浮かび上がってきた。
浴衣姿で集まってきた踊り子たちは、だんだん増えて、櫓を取り巻く踊り子の輪は、四重にも五重にもふくらむ。夏休み中の子どもやその家族、若者や高齢者グループが、郷土伝統の〝やっちょんまかせ〟や〝橋本音頭〟などの囃子に合わせて踊る。
踊りの師匠で橋本市盆踊り連絡協議会会長の松本宇市(ういち)さんも、浴衣姿であらわれ、手振り身振りも美しく、見事な踊りを披露していた。
東家しんし会の話では、昔は、紀伊名所図会(江戸時代)に描かれた旧高野、大和両街道の交差点付近で、盆踊りが行われていたらしいが、それも長い間、途絶えていた。「しんし会盆おどり」は平成10年(1998)から、同小学校で始まり、今年で15回目で、坂部会長は「来夏は、グラウンドも狭くなり、駐車場所もなくなるので、開催場所を検討することになります。このゆったりとした環境での盆踊りは、これが最後となるので、いつまでも覚えておいてほしいですね」と話していた。
写真(上)は旧・橋本小学校グラウンドで行われた「しんし会盆おどり」の光景。写真(中)はスマートボールすくいを楽しむ子供たち。写真(下)は近く撤去される旧・橋本小学校校舎を背景にグラウンド中央に設置された「しんし会盆おどり」の櫓や模擬店。