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日本の原風景・棚田や秋祭り…柱本の映画完成
〝日本の原風景〟ともいえる棚田と谷川のかがやく和歌山県橋本市柱本地区。その自然環境と住民の活動ぶりを次世代に継承しようと、「柱本田園自然環境保全会」(会長=大原一志区長)が企画、月世界旅行社(柴田有麿監督、京都造形芸術大学内)製作のドキュメンタリー映画が完成し、そのDVDを和歌山県内の自治体や公民館などに配布した。
映画は、平成24年4月から同25年2月までの間、柱本地区の住民の活動ぶりを撮影・編集した約30分のカラー作品。具体的には、地元の大人や子供たちが、清流・芋谷川(いもたにがわ)周辺での〝魚道〟設置や、棚田での稲刈り、稲架(はざ)、脱穀風景、地車(だんじり)曳行や、しめ縄作り、地元の葛城神社での参拝風景などを紹介した。
その古里の田園風景の中で、今では、若年層の都市部への流出、少子高齢化、耕作放棄地の増加といった、大きな課題が持ち上がっていて、その解決に挑む地元住民の姿や、熱い思いが映し出されている。
同環境保全会は、そのDVD200枚を作成し、地元住民や橋本市、各地区公民館、和歌山県伊都振興局、近隣市町などに無償配布した。
環境保全会と協働する「はしもと里山保全アクションチーム」の佐藤俊・事務局長は「柱本地区は大阪から近く、市内には巨大ベッドタウンもある。この素敵な谷川や棚田の自然環境を守れば、ここでとれるあらゆる農作物を、皆さんに買ってもらえるし、都市部からは気軽に散策にも来てもらえる。この映画を通して、柱本地区の素晴らしさを、多くの人たちに知ってほしい」と語った。
なお、柱本地区の芋谷川支流の棚田では、6月9日(日)に第1回「初夏の棚田で、田植えを体験」、同25日(火)には「小学生の生きもの調査」を開催。楽しい自然保全活動が行われる。
写真(上)は映画で紹介された〝魚道〟設置風景。写真(中)は月世界旅行社が製作した映画「つなぐこと」(DVD)を披露する佐藤さん。写真(下)は柱本の地車曳行風景。