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しゃれた〝酒林〟を軒下に〜飲食店でも人気上昇中

造り酒屋の軒先や、小料理店などの軒先に吊るされている「酒林(さかばやし)」が最近、好評を博し、和歌山県橋本市隅田町の大弥(だいや)工芸では、その制作・出荷に大忙しだ。奥村浩章社長は「酒林の人気は最近の〝日本の元気〟を象徴しているようで、誠にうれしい」と喜んでいる。
酒林は別名・杉玉と呼ばれ、針金で作った骨格部分に、杉葉の枝部分を何枚も差し込んでいくと、最後には直径約45センチの球形の杉玉となる。
この酒林は、酒の神様として尊崇される日本最古の神社とされる大神神社(奈良県桜井市)が大切にしており、全国の造り酒屋では、軒先に吊るして「新酒ができました」という目印にしている。
最近では、造り酒屋だけでなく、小料理店はもちろん、しゃれたスナックなどの軒先にも、装飾または顧客への感謝の心を込めて掛けられている。
大弥工芸では約20年前、造り酒屋から頼まれ、副業として酒林作りを始め、杉皮と杉材による酒林の屋根も制作している。今では1年間に酒林100個以上を制作・出荷しているが、受注が増加し、とても制作が追いつかないという。
奥村社長は「当社は、杉葉が緑のまま枯れないようにする、独自の特許技術も持っています。この副業は利幅も少なく、作業も大変ですが、貴重な日本の文化なので、頑張っています」と言っている。
写真(上)は完成した酒林とその屋根。写真(中)は酒林の手作り風景。写真(下)は美しい杉皮屋根を披露する奥村さん。


更新日:2013年5月9日 木曜日 13:56

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