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光彩の会、楽描会、百之会の3展覧会、見に来てね

第9回「光彩の会展」、第7回「楽描(らくがき)会展」、第24回「百之会展」の3つの絵画・書の展覧会が4月19日(金)、和歌山県橋本市東家の橋本市教育文化会館4階で始まった。訪れる絵画や書のファンは、ゆったりと3会場をめぐり、郷土の芸術家の心に触れている。21日(日)まで。入場無料。
「光彩の会展」は、昔、橋本市内のアトリエで水彩画を学んだ洋画家・内田英雄さん(和歌山県すさみ町4328)と、その弟子10人の作品約40点を展示。
内田さんは中央に「那智乃瀧」、その左右に「天引山」Ⅰ、Ⅱの計3点を出展。数歩離れて見ると、瀧の音が聴こえ、山の命が伝わるような作品。また、佐藤律子さんの「午後の野菜」、寺脇節子さんの「静物」は、いずれもカブラ、シイタケ、ニンジンなどの同じ対象物の写生画だが、佐藤さんの作品はカブラにどっしり重量感があり、寺脇さんの作品は全体にみずみずしさが溢れている。
「楽描会展」は、画家の鈴木源二さんと、鈴木さんに師事する弟子10人の計約50点を展示。鈴木さんは、ガス灯のあるスペインの街の通りをさらりと描いた「風景」や、全身を情熱的にくねらせている女性「フラメンコ」を出展した。また、秋田美子さんは「大麻寺西塔」、芝満子さんも「大麻寺」Ⅰ、Ⅱ、中川妙子さんは「古民家」を描いていて、その静かなたたずまいを感じさせている。
「百之会展」は、会員30人の書作83点と、会員6人の焼き物など12点の机上作品を展示。
とくに今年2月に逝去した織田宗司さんの遺作「無事」の掛け軸と、「高野喜久雄の詩」(人間は 何処から来たのか そして人間は何処へ行くのか  有り余る空を 光の恵みの中で 人間は永遠の「なぜ」を受けつぐ)が心を打つ。
また、防野宗和さんの書「滝枕」は「枕を濡らすは、滝のさま…。哀しい泪でしょうか、嬉しい泪でしょうか」という問いで始まり、作品「泪」には「言わずとも、瞳はお喋り」と説明、「泪舟」には「この笹舟にのせて、どこか遠くへ渡しましょう」とやさしい言葉を添え、最後に「あなたの やさしさに 心 晴ればれ」と、しめくくっている。
良寛和尚の「詩」や「臨書」を出展した諏訪原恵子さんは、自分の作品はさておいて、「織田さんは書作だけでなく、創作オペラ〝石童丸ものがたり〟に出演するなど、とても活躍された方でした」と生前を偲び、防野さんの机上作品「石仏」の前では、「防野さんは、先ずこのような石仏を彫った後、書に挑まれるそうです」と説明。訪れる人たちは、それぞれの作品から、何かをつかんでいる様子だった。
「光彩の会展」と「百之会展」は午前9時~午後5時(最終日は午後4時)まで、「楽描会展」は午前9時半~午後5時(最終日は午後4時)まで。
問い合わせは「光彩の会」=0736・37・4445(佐藤さん)。「楽描会展」=0736・32・1752(鈴木さん)。「百之会展」=0736・32・8404(河盛さん)へ。
写真(上)は「百之会展」に出展された織田さんの遺作「無事」と「高野喜久雄の詩」。写真(中)は個性豊かな作品が掲げられた「楽描会展」の会場風景。写真(下)は「光彩の会展」に掲げられた内田さんの作品「那智乃瀧」。


更新日:2013年4月19日 金曜日 20:04

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