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玉川峡で稚アユ放流〜水温調節、心やさしく
関西の渓流釣りの本場、和歌山県橋本市、高野町、九度山町を流れる玉川(紀伊丹生川)で、4月14日、稚アユの放流が行われた。この日は数日前、高野山に〝春の雪〟が降った影響で、水温は8度と冷たく、漁協組合員らは、稚アユが〝凍傷〟を受けないよう、必死で水温を調節。稚アユは元気に玉川を泳いだ。
午前8時、琵琶湖産の稚アユ約400キロ(約50000匹)が、滋賀県長浜市から水槽・トラックで玉川に到着した。
ところが、漁協組合員が玉川の水温を測ったところ、8度以下と冷たい。水槽内の水温は長浜市を出発した時点で14度。途中、氷を投入しながら運搬して、玉川到着時には11度まで下がったが、それでも3度もの温度差がある。このまま放流すると、稚アユは〝凍傷状態〟に陥るという。
漁協組合員らは、玉川の水を水槽にポンプアップして、水温を9度まで下げ、水温に魚体を慣れさせたうえ、バケツで丁寧に、ゆっくりと、やさしく放流。お陰で稚アユは勢いよく上流へ泳いでいった。4月28日にも人工・海産アユを放流する予定。
今年のアユ解禁は6月2日(日)で、入漁料は年券8400円、日券3150円と例年並み。山本秀次組合長は「きょうは玉川の水温が低すぎましたが、全員の協力で、無事放流できました。今、湖産アユは体長8センチ前後ですが、アユ解禁時には16センチ前後に成長しているでしょう。玉川で育つアユは、格別うまいですよ」と胸を張っていた。
写真(上)はバケツで稚アユを玉川に放流する山本組合長(手前)ら。写真(中)は水槽からバケツに移された稚アユの群れ。写真(下)は玉川の冷たい水と水槽内の温かい水を調整するため、ポンプアップ準備する漁協組合員ら。