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紙芝居「応其上人」を制作寄贈~古佐田丘中生描く

和歌山県の〝橋本市中心市街地まちづくり協議会〟は、戦国時代の高僧・応其上人(おうごしょうにん)の偉業を伝える紙芝居「応其上人」を制作し、市内46か所の全保育、幼稚園、小学校に寄贈した。紙芝居は新学期以降、子供たちの郷土学習に活用されることになり、制作に携わった橋本市立隅田小学校・元校長の村木宏さんは「子供たちには、ぜひ、応其上人のことを心に刻んでほしい」と期待している。
JR・南海「橋本駅」前周辺では、現在、大掛かりな再開発事業が進められ、古い町家は次々撤去され、郷土の風景は大きく変貌している。同協議会は、「せめて応其上人と橋本のまちの成り立ちについて、次世代へ継承したい」と紙芝居制作を企画した。
応其上人は戦国時代、紀の川に架橋。橋のもとにある土地という意味から、「橋本」の地名がついた。上人は豊臣秀吉に「戦争はいけない」と説得し、高野山攻めを防いだ。秀吉の信望を得た上人は、橋本で塩市を開き、池や堤防も築造、今日の橋本の繁栄の基礎を築いた。秀吉から賜った「唐子織の袈裟(からこおりのけさ)」や、上人の記した「無言抄(むごんしょう)」は、今も応其寺に大切に保存されている。
村木さんは、これらの史実に基づき、橋本駅前開発事務所と相談しながら、ストーリーをつづった。和歌山県立古佐田丘中学校・美術部員が、そのストーリーに合わせて、応其上人の法衣姿や応其寺と山門、賑わう塩市の場面などを、子供たちに愛されるように、可愛い絵に描いた。これを〝橋本市まちの歴史資料保存会〟が監修し、計50セット(1セット12枚)の紙芝居を、鮮明なカラー印刷で仕上げたという。
橋本幼稚園では5月中旬、園児たちに紙芝居を上演する予定で、村木さんは「郷土の歴史を楽しく学んでくれれば、子供たちの成長にきっと役立つと思います」と話した。
写真(上)は古佐田丘中学校・美術部員が描いた紙芝居「応其上人」の絵。写真(中)は紙芝居のストーリーを書いた村木宏さん。写真(下)は応其寺とその山門。


更新日:2013年3月29日 金曜日 18:29

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